研究課題/領域番号 |
23300200
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
市橋 則明 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50203104)
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研究分担者 |
池添 冬芽 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10263146)
建内 宏重 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60432316)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / 膝関節 / 歩行 / 内反モーメント |
研究概要 |
本年度は、膝OA患者の歩行時の膝関節屈伸運動に着目し、矢状面での歩容の違いが動的負荷の様態や、動的負荷の大きさに関連する因子に与える影響を検討するため、以下の2つの研究を行った。 1. 立脚初期における矢状面での膝関節運動と動的負荷の関連を運動学的、運動力学的、及び筋電図学的に検討することを目的とし、膝OA患者13名の歩行分析を行った。その結果、立脚初期における膝関節屈曲角度の増加は矢状面での膝関節への動的負荷を増加させ、対して膝屈曲角度の減少は前額面での関節へのストレスを増加させると考えられた。この結果より、膝OA患者の矢状面での歩容によって着目すべき動的負荷は異なる可能性が示唆された。 2. 膝OA患者30名を歩行時の矢状面での運動学的特徴によって定量的に類型化し、分類された群毎で外的膝関節内反モーメントの積分値の大きさと関連する身体機能(関節可動域や下肢筋力、脊柱アライメントなど)を検討した。その結果、膝OA患者は歩行時の膝関節屈伸運動の少ない群、比較的膝関節の屈伸運動の十分な群、接地時より膝関節が屈曲し、膝伸展角度が少ない群の3群に分類することができた。また、それぞれの群において、外的膝関節内反モーメントの積分値と関連する身体機能を検討したところ、それぞれの群で異なる因子が動的負荷と関連することが示された。 以上の結果より、歩行時の膝関節屈伸運動によって動的負荷の様態は異なり、また同一の動的負荷の指標についても、矢状面での歩容の異なる患者では、その負荷の大きさに関連する身体機能が異なっていることが明らかとなった。本研究より、歩行の特徴毎に異なる動的負荷あるいは異なる身体機能に対して介入を行うことが、膝OA患者の治療により効果的である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、歩行時の矢状面での運動学的特徴によって膝OA患者の歩容を定量的に類型化した。その結果、膝OA患者は歩行時の膝関節屈伸運動の少ない群、比較的膝関節の屈伸運動の十分な群、接地時より膝関節が屈曲し、膝伸展角度が少ない群の3群に分類することができた。本研究より、歩行の特徴毎に異なる動的負荷あるいは異なる身体機能に対して介入を行うことが、膝OA患者の治療により効果的である可能性が示唆され、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、1.変形性関節症患者の歩容に影響を与える因子を明らかにすること、2.変形性関節症患者の歩行分析の結果からタイプ別に分類すること、3.どのようなトレーニングがどのような障害を持つ変形性関節症患者に効果的かを明らかにすることである。 目的1と2は昨年度と今年度で達成できたので、目的3を達成するために今後研究を推進していく。今後は、変形性膝関節症患者に介入を行い介入効果を明らかにする予定である。
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