研究課題
昨年度までの結果から,1. なぜ細胞塊ができやすいか,2. なぜ神経幹細胞へ効率良く分化するか,について,cadherinの発現変化とNotchシグナルの活性化の関与が示唆されている.さらに,3. 微小重力環境で神経分化誘導したES細胞由来の細胞の脳挫傷による片麻痺モデル動物への細胞移植効果の検討,4. 細胞移植とトレッドミルを用いたリハビリテーションを併用した場合の相加・相乗効果の検討,について,細胞移植だけでも運動機能の改善がみられたが,トレッドミル運動との併用により,運動機能の改善がさらに促進されること,そしてその促進にはBDNFやGAP43の関与が示唆されている.本年度は,細胞移植やリハビリテーションにより神経回路が再構築されるか検討するため,電気生理学的解析を行った.運動誘発電位(Motor Evoked Potential:MEP)を検討した結果,移植35日後では,細胞移植後にリハビリテーションした群で最もMEPの改善がみられた.以上のことから,微小重力環境で神経分化誘導したES細胞由来の細胞の脳挫傷による片麻痺モデル動物へ移植し,さらにトレッドミル運動を併用すると,約7日後には損傷部においてBDNFやGAP43の発現が増加し,神経細胞の再生と神経回路の再構築が起こった結果,運動機能の改善が促進されたと考えられる.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Neurosci Lett
巻: 555 ページ: 73-78
10.1016/j.neulet.2013.09.009