研究課題
Constraint induced movement therapy (CI療法)はlearned non-use(学習性不使用)を克服し潜在的な機能を発揮させ,麻痺側上肢機能を改善させるエビデンスの確立したニューロリハビリテーションの一つである。しかし未だこのリハビリ効果の神経基盤の解明には至っておらず、そのリハビリ効果の予測を定量化する技術はない。本研究では新たなMRI撮像技術であるMRI拡散テンソル法(diffusion tensor imaging: DTI) を使用して、慢性期脳梗塞患者の皮質脊髄路のwhite matter integrityを拡散パラメーターであるFractional Anisotropy (FA)値として定量化した。相関解析の結果、CI療法後のFugl-Meyer(F-M)上肢機能項目スコアのみがPLIC-rFA(内包後脚の病側/健側FA比)と相関を示した。また回帰解析の結果、CI療法後にのみF-M上肢機能項目スコアとPLIC-rFAに強い直線関係を認めた。この直線モデルと実際のCI療法前のF-M上肢機能項目スコアの解離がlearned non-useを表している可能性が示唆された。さらにこの直線モデルは慢性期脳卒中患者の潜在的上肢機能直線として汎用できる可能性も示された。CI療法の効果を予測できる、さらには慢性期脳卒中患者の潜在的な上肢機能を予測できる可能性を示した非常に重要な研究となった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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