研究課題
本研究は、適切な弾性率を有するゴムを構造のバックボーンとする腱駆動(Tendon Driven)パラレルリンク機構、及び小型空気アクチュエータを用いて、固有柔軟性を持つ軽量、高自由度、ロボットアームを構築し、また、肩義手のための動的個人適応型インタフェースを開発することによって、日常生活の使用に適する肩義手システムを構成・検証・評価することを目的とする。初年度において、ロボットアームとしての腱駆動多節パラレルリンク機構のシミュレーションモデルを構築し、操作特性、ローム先端部の空間アクセシビリティー、空間到達精度を評価基準に、ロボットアームの材料特性、機能部品の配置、機構の運動学特性を検討し、詳細設計を行った。また、肩・アーム・手複合体の計測実験によって、圧電フィルムが体動の影響を受けにくい特性を実証し、圧電フィルムも日常生活動作における肩・アーム・手複合体の計測センサーハーネスに入れる必要があるとの結論を得た。さらに、上肢補助動作における運動特性の個人差と時間変化性に対応できるオンライン学習法を新たに提案し、数値実験によって、その有効性を検証した。最後に、日常生活における感覚機能代行を目指し、音響ディスプレ-(Auditory Display)を用いて、上肢動作の到達・把持運動時の触覚、運動覚を使用者にフィードバックする感覚機能代行法を提案し、視覚フィードバック、音響ディスプレーを用いる聴覚フィードバックの比較実験を行い、到達・把持運動の時間、義手の制御誤差の検出、神経生理学的負担の面において、提案のフィードバック法は視覚フィードバックと同等な効果があることを検証した.
2: おおむね順調に進展している
交付申請書の研究実施計画に記載していた項目について、すべて達成しているため。
現在まで計画通りに進めることができ、当初計画の次年度項目の実施に順調に入るための準備ができている。次年度以降も計画通りに進める予定である。
すべて 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)
Journal of Medical Imaging and Health Informatics
巻: Vol.1, Num.4 ページ: 325-333
Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation
巻: (掲載決定)