研究概要 |
本年度は主にUSC(Universal Sign Code format)の策定,データベースサーバーの検討,障がい者へのアンケート調査および支援システムの検討を行った. USCの検討では,国内外の手話コードを調査し,それぞれの特徴を調べた.それらの結果を基にしてUSC Ver.0を策定した.これはまだ未公開であるが,これをさらに検討し,公開に向けて整理する. データベースサーバーの検討では,まず,日本手話のデータベースである手話日本語辞書システムを設計した.これは,手話から日本語,日本語から手話が検索できるデータベースで,このデータベースにUSCを格納することで,今後のシステムに利用する. アンケート調査では,愛知県や鹿児島県の聴覚障がい者に協力してもらい,現在どのような場所・状況で困っているかを調査した.その結果,我々が想定していた緊急時の情報保障はもとより,日常的な状況,例えば買い物の時のタイムセールの案内が聞こえない.バス利用時に,停留所の案内が聞こえないなど様々な意見が寄せられた.今後はこのような場所での情報保障をどうすべきかを検討する. 支援システムの検討では,実際に水族館で携帯端末を使った手話による情報保障システムの評価実験を行った.その結果は,おおむね良好であったが,今回の実験では,魚などの解説を手話に翻訳していたが,イルカショーの解説などリアルタイムでの情報保障を希望する声も多くあった.今後はリアルタイム情報保障しすてむについても検討する必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたUSCの公開は間に合わなかったが,支援システムについては,試作システムを作成し,評価実験まで行うなど,計画以上に進んでいる.従って,総合的に見ておおむね順調に進展しているといえる.
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