スポーツ動作における体幹の利用や捻転軸の重要性は、これまで多く指摘されているものの、自然科学的に明らかになっているわけではない。そこで、本研究では、体幹の動きの機序を解明する一連の研究を行った。まず、体幹を上胴と下胴の2セグメントモデルに仮定し、立位中の回旋動作における体幹結合部のエネルギー伝播や発生と吸収の機械的仕事を同定した。また、体幹を上胴・中胴と下胴の3セグメントモデルを仮定し、歩行・走行動作で上部と下部体幹結合部の力学的機序を解明した。加えて、ある特定の選手が走・跳・投などの動作で自己パフォーマンスを超えるための身体各関節の発揮トルク・パワーを推定するシミュレーション方法を提案した。
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