研究課題/領域番号 |
23300234
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小林 寛道 日本大学, 国際関係学部, 教授 (60023628)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | トレーニング科学 / 老化予防 / 高齢者 / 歩行能力 / 体幹 / 慢性期リハビリ / マシントレーニング |
研究概要 |
高齢者が自立歩行や日常生活行動が不自由な低体力状態になることを予防し、体力水準の改善を図るために、スポーツ科学的な発想を生かした新しい運動・トレーニングの方法を開発することを目的にした。低体力高齢者を対象にして、①自立した生活行動を支える体力的基盤と考えられる「体幹深部筋群」の機能向上を図るためのトレーニングマシンを開発し、②そのマシンを用いたトレーニングの効果を検証することによって、③生活行動能力(起立・歩行能力・生活に必要な基本動作)の向上を図るトレーニングモデルを構築し、高齢化社会での低体力問題の緩和に寄与することを目指した。 計画の2年目に当たる平成24年度は、①股関節運動補助筋群強化マシンI(HJT-12型)、②股関節運動補助筋群強化マシンII(HJT-II型)、③すり鉢型膝腰伸展筋群強化マシン、の3機種を開発することができた。平成23年度には、①すり足動作型歩行能力改善トレーニングマシン、②ひねり動作型体幹深部強化マシン、の2機種を開発しているので、これらのマシンを用いてトレーニング実験を実施した。トレーニング実験は日本大学(静岡県三島市)と東京大学柏IIキャンパス(千葉県柏市)の2か所で同時に進行させた。日本大学では、70歳代の男子(70~79歳)9名、女性1名を対象に、週1回90分間のトレーニングを10週間実施した。トレーニングは、一つのマシンにつき5~6分間の運動を4機種順々に実施する方法をとった。その結果、股関節周りの柔軟性の向上、ひねり動作における運動範囲の向上、歩行時の脚の運び動作の円滑化など、期待した効果がそれぞれの対象者についてみられた。柏IIキャンパスでは、脳卒中後遺症を持つ人を対象に、平成23年度から継続的にトレーニングを実施し、著しい改善がみられている。平成25年度にもトレーニングを継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
マシン開発は、計画以上に順調にいき、そのマシンを用いたトレーニング効果も確実にあられている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的とする低体力高齢者向きのマシントレーニングシステムをほぼ完成させ、エビデンスを蓄積するとともに、実社会において研究成果の応用に寄与したいと考えている。特に、脳血管障害などで急性期のリハビリを終了した6カ月以上の人のトレーニング方法として、本トレーニングシステムの利用の可能性をさらに追求する。
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