• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

地域密着型プロスポーツとトポフィリアに関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23300235
研究機関早稲田大学

研究代表者

原田 宗彦  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70189710)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード地域密着型プロスポーツ / bjリーグ / 地域愛着度
研究概要

本研究では、2011年度から新たにbjリーグに参入した「岩手ビッグブルズ」「信州ブレイブウォリアーズ」の2チームの観戦者と、ホームタウン在住の非観戦者を対象として、地域密着型プロスポーツチームの出現が、地域愛着(以下、PA)にどのような影響を与えるのか、またその後チームアイデンティフィケーション(以下、TI)はどのように変化するのかを、3年間の縦断的研究によって明らかにすることを目的とした。2年目にあたる本調査は、試合会場で観戦者に対して行う来場者自記式調査と、観戦経験のない地域住民に対するインターネット調査から構成される。開幕直後とシーズン終了前の2回の質問紙調査を実験群の観戦者を対象として行い、統制群として、ゲームを観戦したことのない地域住民を対象に、インターネット調査を実施し、PAとTIの時系列変化を調べた。なお、分析には、PAとTIの質問項目を完全回答したサンプルのみを用いた。また観戦者に対しては、人口統計的変数、観戦行動、地域愛着、チーム愛着の4つのジャンルの質問項目を設定し、非観戦者に対しては人口統計的変数及び地域愛着のみを設定した。岩手、長野のPA 5項目の平均値を観戦者と非観戦者の間で前後比較したものである。岩手は、非観戦者では前後に有意な差が見られなかったが、観戦者では「岩手にずっと住み続けたい」に5%水準で有意な差が見られた。長野は、非観戦者では前後に有意な差が見られなかったが、観戦者では「長野は他の地域よりも大切である」に1%水準で、「長野に愛着を感じている」に5%水準でそれぞれ有意差が見られた。これらの結果より、地域密着型プロスポーツチームは観戦者のPAを高めるのではなく、もともとPAの高い地域住民を集める機能があり、またTIを高める因子はチームごとに異なり、チームの活動や取り組みに左右される可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

23年度と24年度の調査は、概ね順調に進展しており、これまで試合会場で観戦者に対して行う来場者自記式調査と、観戦経験のない地域住民に対するインターネット調査を実施してきた。具体的には、開幕直後とシーズン終了前の2回の質問紙調査を実験群の観戦者を対象として行い、統制群として、ゲームを観戦したことのない地域住民を対象にして、インターネット調査を実施し、PAとTIの時系列変化を調べた。なお、分析には、PAとTIの質問項目を完全回答したサンプルのみを用いた。

今後の研究の推進方策

平成25年度の調査も基本的に平成23-24年度の方法を踏襲し、開幕直後とシーズン終了前の2回、観戦者に対する調査を実施し、これを実験群とする。統制群への調査として、
地域住民に対するインターネット調査も同じ時期に2回行い、TIと地域愛着に関する比較を行う。さらに本年度は、平成24年度と同様、開幕直前に、観戦者と地域住民に対するフォーカスグループインタビューを行い、チームと地域愛着に関する議論を誘導し、有益な定性的データを収集する。これによって、3年間のプロスポーツの活動が、トポフィリア(場所愛)に与えた影響を包括的に分析する。加えて最終年度は、3年間の調査結果をまとめた報告書を作成するとともに、岩手と長野に対する報告会を開催し、チームごとにパーソナライズされた情報提供の機会を設ける。スポーツビジネスの現場との接点を重視することで、本研究の応用研究としての価値を高める。なお作成された報告書の一部は、チームの許可を得て、学会や論文として発表を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] プロスポーツチームと地域愛着

    • 著者名/発表者名
      原田宗彦
    • 学会等名
      日本体育・スポーツ経営学会
    • 発表場所
      京都教育大学

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi