スポーツにおける代表的な肩関節障害である腱板損傷(インピンジメント症候群)の運動学的な発症要因を明らかにするための前向きコホート研究を実施した。野球投手63名中15名について、肩峰下インピンジメントの発生する肢位が動作中に観察された。競泳の自由形選手については23名中21名、他の泳種目については15名中10~13名であった。一方、投球動作時にインターナル・インピンジイントが起こるという仮説を支持する結果は得られなかった。複数年にわたり追跡調査のできた投手28名において、肩峰下インピンジメントの生じる肢位が動作中に観察されたものが6名で、その内4名は後に肩痛を発症した。
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