研究課題
本年度の検討では、野生型、Nrf2KO、Keap1KD(Nrf2過剰発現)マウス由来の筋衛星細胞の初代培系の確立と、それを用いた既知のマイオカインの発現比較を含めた基礎的検討を行った。筋衛星細胞の初代培養では、野生型、Keap1KDマウスでは、問題なく培養できることが確認されたが、Nrf2KOマウス由来の細胞は従来の方法では培養することができなかった。この原因として、培養環境下での酸化ストレス刺激の増加が疑われたため、抗酸化剤である、メルカプトエタノールを培養培地に0.1mM添加した。その結果、死亡率が減少し、培養が可能となった。上記細胞を用いて、運動時のNrf2発現変化と既知の代表的なマイオカインの発現変化を観察した。擬似的な運動刺激には、細胞電気パルス刺激(EPS)装置を使用した。筋管細胞へと分化させたC2C12に、電気刺激(40V, 2ms, 1Hz)を与えたところ、刺激後にNrf2の活性化を認め、刺激後6時間をピークに活性化は減少傾向を示した。また、EPS刺激によって、代表的なマイオカインであるIL-6のmRNA発現量が、非刺激群に比べ極端に増加した。さらに、野生型、Nrf2KO、Keap1KDマウス由来の筋管細胞に電気刺激(40V, 2ms, 1Hz)を与えたところ、いくつかのマイオカインの発現に、各群間で差異があることが確認された。骨格筋におけるNrf2の発現変化は、運動による骨格筋のマイオカイン産生能に強く影響を与える可能性が示唆された。しかし、どのような種類のマイオカインの産生が変化しているのか、また、その機序を明らかにするまでには至っていない。そこで今後は本研究成果に基づき、Nrf2の骨格筋内での働き、マイオカインの産生に与える影響についての解析を行い、Nrf2を標的とした、肥満関連疾患の予防および、骨格筋機能を維持するための方法の確立を目指す。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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