研究課題
私たちは、水素(H2)は体内に摂取することによって抗酸化作用・抗炎症作用・抗アレルギー作用を発揮することを明らかにした。水素の摂取法としては、水素ガスを吸引する、水素を溶かした水(水素水)を飲むなどの方法がある。最も、簡便で効果t歴な方法を開発することによって、実用化することを目標としている。本年度の目的は、効果的な水素の投与量を明確にし、最も効果的な摂取法として、H2を胃の中で発生させる素材とその投与法を開発することである。具体的な研究計画としては、H2の投与法としてMgH2を経口投与する方法の確立すること。H2の体内動態を観察すること。他の抗酸化物との比較すること。MgH2を摂取することによって、運動量と酸素消費量が増加することの検討。さらに、肝臓、消化管から分泌されるホルモンの網羅的同定。とした。MgH2は、水素吸蔵金属であり、水と反応して水素ガスを穏やかに発生させる。本年度の研究では、MgH2をマウスに経口投与し、まず安全性を確認した。600倍の過剰投与を4週間繰り返しても異常は認められず、妊娠マウスに過剰投与しても母体・胎児・出生マウスに何ら異常は認められなかった。そこで、MgH2の経口摂取の安全性が確認された。MgH2摂取後に、血液の水素濃度をモニターすると、体内に水素濃度が増加し維持されることが確認された。MgH2経口摂取は、水素水を飲用するよりも脂質代謝に効果的であり、中性脂肪濃度を効果的に低下させた。さらに、エネルギー代謝促進効果が認められること、肝臓のFGF-21の合成を促進することを明らかにした。以上のように、ほぼ目的とその計画は達成した。他のビタミンと比較して水素の優位性を示す実験は、まだ行っていない。ただし、水素との比較は行っていないが、抗酸化物質としてクロレラの効果を検討した。
2: おおむね順調に進展している
具体的な研究計画をほとんど実施し、予想通りの結果をえた。
今後も研究計画に従って、研究を遂行する。次年度の目標はメカニズムの解明であるので、予想通りの結果がでるとは限らないので、用意周到に研究を遂行する予定である。
すべて 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (13件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Gene Ther
巻: 19(12) ページ: 1141-1149
10.1038/gt.2011.204
Brain Res.
巻: 1430 ページ: 86-92
doi:10.1016/j.brainres.2011.10.041
Obesity(Silver Spring)
巻: 19(7) ページ: 1396-1403
10.1038/oby.2011.6
Am. J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol
巻: 301(4) ページ: L415-L426
10.1152/ajplung.00008.2011
Neurobiol. Dis
巻: 41(1) ページ: 111-118
10.1016/j.nbd.2010.08.027
Med. Gas Res
巻: 1(1) ページ: 10
10.1186/2045-9912-1-10
Curr. Pharm. Des
巻: 17(22) ページ: 2241-2252
10.2174/138161211797052664
Circ.Res.
巻: 109 ページ: 396-406
doi:10.1161/CIRCRESAHA.111.243097
Med.Gas Res.
巻: 1 ページ: 1-9
doi:10.1186/2045-9912-1-18
J.Biol.Chem.
巻: 286 ページ: 37458-37469
doi:10.1074/jbc.M111.24265
J Nippon Med.
巻: 78 ページ: 13-21
doi:10.1272/jnms.78.13
Biochim.Biophys.Acta.
巻: 1,820 ページ: 586-594
doi:10.1016/j.bbagen.2011.05.006
http://home.nms.ac.jp/ig/saiboseibutsu/index.html