研究課題
本研究の大きな目的は、水素を経口的に摂取して生活習慣病と老年病の予防に貢献しようとするものである。本研究では、胃の中で大量にH2を発生させることにより、水素水の経口投与と同じように大量のH2を摂取できるようにし、水素の生活習慣病の予防効果をより明確にしようとするものである。この摂取法は昨年までに確立し、水素水の飲用よりも効果的であることを明確にしたので、本年度は、安全性試験を徹底的に行い水素の過剰投与によっても安全性が保たれることを明らかにした。次に、H2の経口投与によって、遺伝子発現が制御され、肝臓や消化管からホルモンを分泌されることを想定して、その分泌機構の解明にあたった。まず、糖尿病モデルマウスにおいて、胃の中で大量にH2を発生させると水素水の飲用よりも中性脂肪が低下することを昨年明らかにしたので、本年度は、この原因を探るべくマイクロアレイにより網羅的に遺伝子発現の変動を調べた。すると脂質代謝、コレステロール代謝に関与する遺伝子の発現が水素によって増加することが明らかとなった。時間的に遺伝子発現の変動を調べると、ミトコンドリアの生成制御を司るPGC-1αが上昇して、その後にミトコンドリアの脂質代謝の関与する酵素の遺伝子発現が上昇することを明らかにした。さらに、遺伝子制御を行う細胞内シグナル伝達制御機構の解明にあたった。本研究では、水素が脂質の酸化を制御して、様々な細胞内伝達機構を制御し、代謝を向上させ、糖尿病、脂質代謝異常症や動脈硬化を予防できることを示唆した。従来、動物実験や臨床試験によって、水素が様々生活習慣病や老年病の予防に寄与できることが示唆させてみたが、本研究によって、その分子機構が解明されたので、水素の効果はより信用できるものとなった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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