研究課題/領域番号 |
23300258
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
佐藤 真治 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (60529973)
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研究分担者 |
正見 こずえ 大阪産業大学, 人間環境学部, 助手 (90529984)
大槻 伸吾 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (90247875)
田中 史朗 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (50128740)
高田 彰 独立行政法人国立循環器病研究センター, 医療情報システム管理室, 室長 (00187965)
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キーワード | 心大血管疾患リハビリテーション / 総合型地域スポーツクラブ / 生命予後 / 運動耐容能 / 集団スポーツ療法 |
研究概要 |
【研究の学術的背景】 心大血管疾患後のリハビリテーション(心臓リハビリ)が再発予防や生命予後改善に有効であることは明らかである。しかし、本邦ではリハビリ算定日数を超えてリハビリ終了となった慢性安定期の心臓リハビリの環境は十分に整っていない。したがって、慢性安定期の心疾患患者が安全に・楽しく運動療法を継続できる環境の整備が望まれる。我々は、地域密着型のスポーツクラブとして今後全国展開が予定されている「総合型地域スポーツクラブ」(総合型クラブ)が地域の医療機関と結びつくことが、この問題の解決に有用であると考えている。 【何をどこまで明らかにしようとするのか?】 本研究では。総合型クラブに医療機関と連携した慢性安定期の心臓リハビリを導入し、安全性と効果を検証する。対象は、安定した慢性期の虚血性心疾患患者。具体的内容は、集団スポーツ療法を基本とする60分のプログラムとする。主要アウトカムは、追跡期間中の心事故発生率と再入院率。副次アウトカムは運動耐容能、心エコー指標、QOL指標(SF-36)とする。 【本研究の意義】 本研究の遂行により総合型クラブにおける心臓リハビリプログラムの安全性と効果が確認されれば、(1)心疾患患者が安心して運動を楽しめる環境の整備を促進できる、(2)心疾患患者の社会的孤立を防ぎQOLを改善する、(3)医療でもない介護でもない新たな周辺サービスを創出するきっかけとなる等の成果が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2011年5月、大阪産業大学と大東市が運営する総合型地域スポーツクラブ「いきいき大東スポーツクラブ」に野崎徳洲会病院と連携した心臓リハビリプログラム「いきいきハートクラブ」を設立した。参加者は、現在12名。約1年が経過し、他疾患による入院を1名認めたが、心大血管疾患による事故および再入院はなし。
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今後の研究の推進方策 |
「いきいきハートクラブ」の効果を明らかにする。参加者の運動耐容能、心エコー指標、QOLを測定し、変化を検証する。また、安全性の検証も引き続き継続する。 心大血管患者が楽しく・安全に運動を楽しめる施設が全国に整備されるには、本プログラムの成果を情報発信し、同意者を増やすことも重要である。現在、地域における運動指導は健康運動指導士が担う。健康運動指導士が慢性期の心大血管疾患患者の運動指導に役割を発揮すれば、すそ野は広がっていく。まずは、心臓リハビリテーションに興味を持つ健康運動指導士のネットワーク作りから始める。
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