研究課題/領域番号 |
23300262
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京家政学院大学 |
研究代表者 |
上村 協子 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (00343525)
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研究分担者 |
藤野 次雄 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (10117757)
江原 絢子 東京家政学院大学, 現代生活学部, 客員教授 (40256285)
萩原 なつ子 立教大学, 社会学部, 教授 (50279717)
清水 理子 神戸松陰女子学院大学, 人間科学部, 准教授 (70204427)
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キーワード | 持続可能 / 消費者教育 / 世代間伝承 / 6次産業 / 地産地消 / 食育 / 金融教育 / 生活文化 |
研究概要 |
生活文化の世代間伝承に、大学の消費者教育はいかに貢献できるのか。生活文化の視点から持続可能な消費のための教育(ESC:Education for Sustainable Consumption)を探求する。 平成23年度は食領域の生活文化研究の蓄積をもとに、講義・演習・実習など授業形態や、セミナー・アンケートなど、方法・連携先を変えた消費者教育の試行調査を、関東・関西の3大学4キャンパスにおいて実施し、各事例の有効性を検討した。 事例1)生活学セミナーの参画:84歳の女性農業者が取り組む6次産業型の活動を紹介するセミナーに参加した139名のコア学生の意識変容をアンケート調査から検証した。 事例2)食文化講義でのレポート活用:授業ごとに学生が提出したリアクションペーパーをもとに、授業を受講することで知識が蓄積し、行動や意識に変化を与えるプロセスを探った。 事例3)調理実習:地域密着の調理実習授業によって、生産と消費の現場を経験することで持続可能な消費に、実習授業が与える影響を検討した。 事例4)学外の講師によるプロシューマー演習:6次産業化や伝統文化を再価値化する現場をマネジメントする講師からの演習を受講後にその内容を学生がプレゼンテーションし、産業と生活文化が結びつくことで、生活価値観の変容が促されることを確認した。 事例5)台湾と日本の金融に関するアンケート:家計管理や金銭に関する台湾と日本の意識や行動の比較を行う調査を学生が実施し、金銭感覚の世代間伝承の国や地域による差を考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度で、生活文化ESCとして(1)セミナー(2)講義(3)実習(4)演習(5)アンケート実施など、5つの試行調査を関東・関西の3大学、4キャンパスで実施した。アンケート実施に当たっては、大学の倫理委員会の承認をえることができた。産学官民連携で、コア学生に対する調査を継続的に行う体制を整えてきた。効果検証方法や、九州などの地域を追加するかは検討中である。さらに、大学における消費者教育指針の英訳を行い、ドイツ調査、東南アジアでの調査に活用している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)平成23年度と同様のペースで研究会を開催する。 (2)世代間伝承を分析するにあたっては、世代を絞りこむ。 (3)試行調査を実施地域は、国際的な動向を視野にいれて、研究会のなかで検討する。 (4)パラダイムシフトにむけて日本の女性農業者の食と農をつなぐ教育や、コミュニティビジネスに注目する。 (5)研究成果報告に計画的・積極的に取り組む。
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