研究課題/領域番号 |
23300264
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研究機関 | 公益財団法人労働科学研究所 |
研究代表者 |
松田 文子 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 特別研究員 (40399340)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 参加型 / 職場改善 / 作業負担 / 人間工学 / 介護労働 |
研究概要 |
介護労働における作業改善には様々なアプローチの方向があるが、主には、利用者への利便性に特化されており、介護労働従事者の負担軽減に直結するものや、それを他の職場に良好事例として「水平展開」できるような改善事例は多くない。本研究の最終的な目標は、介護者が身近な作業の小改善を積み重ねてストックし、そして同業者が相互に参照利用できるサポートシステム(遠隔型改善コンサルテイションネットワーク)の構築を行い、介護産業における情報交換の場として自立運用される土台を創出することである。 その第一段階として、平成23年度には、介護労働における現場改善活動の普及を支援する体制の一部である「企業参画」「企業と研究者との連携」の部分について、システム運用の検討課題を抽出するため、システムのパイロット版を試作し運用した。 平成24年度は、第二段階として、介護労働における現場改善活動の普及を支援する体制として、介護労働従事者らが相互に相談・提案を行う,あるいは人間工学・労働科学の専門家や、介護産業の支援企業らも参画し、アドバイスを行える遠隔的コンサルテイションシステムを構築した。アクセスする方法として、PC、スマートフォン、携帯電話の3種類を想定し、システム構築を行った。その中で、まずは、近年、普及が著しいスマートフォン(iPhoneおよびAndroid)向けのシステムを中心に開発を進めた。実装する機能は大きく3つのパートに分かれており、それぞれ「改善結果報告掲示板」「改善相談掲示板」「チェックリスト機能」と名付けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全体として、やや遅れていると考える。その理由を以下に上げる。 ①調査参加者の獲得、連携において、時間を要した ②システム開発部分おいて、スマートフォンの普及が当初の想定を上回っていることを受け、途中から方針を変更し、携帯電話向けコンテンツの開発よりも、スマートフォン向けコンテンツを優先した ③23年度に開発したシステムに利便性に関する課題が見つかり、その対応に時間を要した
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今後の研究の推進方策 |
今後、試作したシステムを介護労働従事者と人間工学の専門家によるサポートを交えて試験運用をしながら評価を行っていく。介護関連企業の協力を得つつ、介護現場からの課題収集やその改善サポートを行うことで、将来的には、介護現場における比較的小規模で具体性の高い問題の解決について、多くの良好改善事例が収集され、その事例を参考に各職場での展開がなされることによって、介護労働従事者にとっても、心身両面において負担軽減が図られることが期待される。
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