本研究では,衣類から発生する臭気成分を,ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)及びThermal Desorption Systemにより分析し,身体に及ぼす影響を検討した。寝衣または枕カバーからは50種類以上の成分が検出され,アルデヒド系化合物が,経時的に増加していた。官能評価では,中高年男性が若年層より自らの体臭の強さを感じており,また油っぽさを感じていることが示され,アルデヒド系化合物が不快感に繋がることが示唆された。皮膚性状では男性では皮脂が多く,これらに由来する臭い成分と相応し,皮膚表面から検出された細菌は,ほとんどがStaphylococcus epidermidisであった。
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