研究課題/領域番号 |
23300268
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研究機関 | 独立行政法人建築研究所 |
研究代表者 |
加藤 真司 独立行政法人建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 上席研究員 (50523388)
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研究分担者 |
桑沢 保夫 (独)建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 上席研究員 (30251341)
石井 儀光 (独)建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 主任研究員 (80356021)
樋野 公宏 (独)建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 主任研究員 (30391600)
橋本 剛 筑波大学, 人間総合科学科芸術専攻, 講師 (70400661)
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キーワード | 緑のカーテン / 屋内温熱環境 / 体感温度 / 節電効果 |
研究概要 |
緑のカーテンは、夏季における住環境の温熱環境改善に寄与するが、それは単に植物による日射遮蔽効果によるだけでなく、実際には窓の開閉といった生活スタイルとの関係が大きいと考えられる。このため、緑のカーテンによる生活環境改善効果を把握するためには、物理的改善効果・生活スタイルと使用方法・利用者の主観的価値判断などの多面的な角度から検証する必要がある。平成23年度は、まず緑のカーテンによる物理的環境改善機能を把握するため、独立行政法人都市再生機構が所有する集合住宅を用いた、異なる緑のカーテンの設置状況による比較実験を実施した。窓を締め切った状態での、緑のカーテンによる屋内温熱環境改善効果の測定実験の結果、簾などの他の日射遮蔽物と比べても、緑のカーテンによるより高い屋内温熱環境改善効果が見られた。また、緑のカーテンの設置量に伴って屋内温熱環境のより大きな改善が見られた。さらに、緑のカーテンは窓の開閉などの生活スタイルがその効果に大きく影響するとの仮定のもとに、窓の開放時における屋内温熱環境を、体感温度の観点から測定・評価を行った。その結果、窓の開放時においても、緑のカーテンによる屋内温熱環境改善効果の有利性が明らかになった。加えて、同時に浜松市で実施した緑のカーテン実施者へのアンケート調査結果から、緑のカーテンによる電気使用量の経年変化を把握するとともに、緑のカーテンによって窓の開放が促されることも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究予定では、平成23年度には、UR都市機構が所有する集合住宅の建築物を活用した実験によって、緑のカーテンによる屋内温熱環境改善効果を把握することとしていた。また、特に、窓の開放時における屋内の温熱環境改善効果も把握することとしていたが、それらについて予定通りに実験を実施し、結果のとりまとめを行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り、平成24年度は、UR都市機構の所有する集合住宅を用いて、緑のカーテンが有すると考えられる心理的要因による体感温度の軽減効果について実験を実施する予定であり、現在その準備を進めているところである。 実験実施に際しての課題は特にない。
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