研究課題
蛋白質・ペプチド・アミノ酸の摂取も、個体糖代謝に多大な影響を及ぼすことが知られている。代表者は、ヒスチジン誘導体が糖代謝を改善することを見出しているが、そのメカニズムは十分に解明されていない。そこで、本研究課題では、ヒスチジンの糖代謝改善作用を解明することを目的とする。ヒスチジンにより耐糖能が改善するが、このヒスチジン作用は肝糖産生抑制によるという結果を見出している。また、ヒスチジン投与は、肝糖産生を抑制する肝臓STAT3活性化を誘導することを明らかにしている。また、ヒスチジン作用による肝糖産生抑制が肝臓STAT3に依存的であること、さらには、ヒスタミンH1受容体欠損マウスでは、ヒスチジン投与による肝糖産生抑制作用は障害されることも見出している。これらの結果から、脳内H1R阻害剤投与などの検討から、ヒスチジンによる肝臓STAT3を介した肝糖産生抑制作用は脳内ヒスタミンH1Rを介することが示唆される。そこで、脳内ヒスチジン作用と同じく、肝糖産生を抑制することが知られている脳内インスリン作用との関連を、インスリンとヒスチジンの両者の脳室内投与により検討した。既報のごとく、インスリン脳室内投与に伴い、肝糖産生は抑制され、脳室内ヒスチジン投与により、肝糖産生抑制は増強した。脳室内に、インスリン、またはヒスチジンを投与すると、肝臓STAT3がリン酸化され、両者を投与することにより、肝臓STAT3リン酸化は増強した。これらの結果から、中枢神経におけるヒスチジンの投与により、中枢神経インスリン作用による肝糖産生抑制が増強する事が示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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