研究課題
本研究者らは、最近、新技術「生体染色と多光子レーザ顕微鏡を用いた超早期癌の検出と選択的癌細胞排除法」を開発し、特許申請した。発明者は、三重大学大学院医学研究科 神経再生学講座 教授 溝口 明(代表研究者)、准教授 木村 一志、消化管外科学講座 講師 田中 光司 の3名として、三重大学知的財産統括部より、申請を完了した。○発明の名称 多光子レーザ診断治療装置 ○出願番号 特願2013-075256○発明の名称:生体染色剤 ○出願番号 :特願2013-075150 ○発明の名称:腫瘍細胞染色剤 ○出願番号 :特願2013-074953 ○出願日 :2013年(平成25年)3月29日。本技術は、ヒトが摂取を許可されている自然あるいは人工合成色素を消化管などの粘膜表面に塗布し、多光子レーザ顕微鏡によって細胞組織形態を画像化し、染色によって癌細胞が正常細胞より濃く染まるなど癌と正常細胞の染色性の差異を利用して病変部を迅速に探し当て、細胞形態から粘膜病変の質(病名)を診断し、癌の場合には、診断に用いた同じ画像座標を用いて癌細胞だけを細胞一個単位でピンポイントにレーザ照射によって排除できる技術である。即ち、①ヒトが摂取を許可されている自然あるいは人工合成色素を粘膜表面に塗布し、多光子レーザ顕微鏡によって細胞組織形態を画像化すると、②ヒト摂取許可済み色素の粘膜表面塗布染色と多光子レーザ顕微鏡による細胞組織形態の画像化において、癌細胞は正常細胞よりも濃く染色され、また、レーザ顕微鏡画像をもとに癌の診断が可能であること、③癌を発見した場合は、診断に用いた同じ画像座標を用いて、癌細胞だけを一個単位でピンポイントにレーザ照射によって排除できること、が発見の主旨で、この技術によって、直径0.5 ミリメートル程度の超早期癌の診断治療が可能となった。医学教育上重要な教材が作成できた。
1: 当初の計画以上に進展している
①ヒトが摂取を許可されている自然あるいは人工合成色素を粘膜表面に塗布し、多光子レーザ顕微鏡によって細胞組織形態を画像化すると、色素と細胞の種類によって様々に異なる染色パターンが得られること。②ヒト摂取許可済み色素の粘膜表面塗布染色と多光子レーザ顕微鏡による細胞組織形態の画像化において、癌細胞は正常細胞よりも濃く染色され、また、レーザ顕微鏡画像をもとに癌の診断が可能であること。③癌を発見した場合は、診断に用いた同じ画像座標を用いて、癌細胞だけを一個単位でピンポイントにレーザ照射によって排除できること、が発見の主旨で、この技術によって、直径0.5 ミリメートル程度の超早期癌の診断治療が可能となりました。
そこで本提案では、申請者が最近開発した、「ヒト摂取認可済み色素の粘膜上皮表面塗布と多光子レーザ顕微鏡を用いた超早期癌の診断・治療法」を応用して、iPS細胞由来上皮細胞における機能優良細胞の選別技術の開発を企画した。上記の方法は、細胞形態の染色に用いる色素に関して、FDA(米国食品医薬品局)または我国厚生労働省がヒトの摂取を認可済みの化合物を用いることから直ちに臨床応用しても法的に問題がない点、これらの色素による細胞の染色は1分間程度の短時間で完了することから迅速な選別が期待できる点、多光子レーザ顕微鏡による画像化と複数波長の蛍光強度の測定が定量的かつ自動的にできることから同時に複数の細胞機能解析による機能優良細胞の選別・単離が、レーザ蒸散による機能不良細胞の排除によって可能となる点において、他の方法にはない利点を持っている。さらに、移植細胞の高次構造化に対しては、選別した機能優良細胞を細胞外基質ごと切り出し、治療者のデザイン通りにレゴブロックのように機能優良細胞を配列し、生体臓器に類似した高次細胞構造を組み立てる技術の開発をも目指す計画である。高次構造化の目標構造といては、比較的簡単な3種類の細胞からなる膵臓ランゲルハンス島から始め、次に複雑な心臓の心筋細胞や神経細胞のミニ回路の形成を当座目指す計画である。
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