研究概要 |
本研究は、1)新規機能型イオン液体の合成、特に磁性イオン液体に注目して合成研究を行い、2)イオン液体を含めたさまざまな教材のマイクロスケール化を行って小中高の現場で展開ができるように工夫し、ひいては環境に優しい化学実験教材の提示手法を確立、3)更に開発した教材を国内外のワークショップ(WS)や出張授業にて広報活動や研修事業に展開して、化学に対する啓蒙活動を行うことを目的としている。 平成23年度は,計画通り1)新規磁性イオン液体の合成,2)おもしろわくわく化学展(実施場所:高松天満屋)夢化学21(開催場所:香川大学)の実施,を3)ワークショップ(WS)の開催した。 イオン液体は,室温で液体である不思議な塩であり,日本が世界をリードして物理化学的性質の解明,有機合成的応用,その機能解明について積極的に展開し,様々な埆度からその有用性を明らかにすべく活発な研究が行われている化合物である。平成23年度は,教材に活用するためによりよい磁気特性などを持った新規磁性イオン液体の合成研究を実施し,5種類の新規イオン液体を用いて磁性イオン液体の合成を行った。[bmim][FeCl_4]に代表されるような磁性イオン液体の合成研究に着手し,磁性体を得ることにすでに成功しており,同様な手法で新規磁性イオン液体の合成を行った。その結果,[DEMomA][FeCl_4]というリード化合物の合成に成功した。また,研究打ち合わせ並びにワークショップを,仙台,高松で実施した。また海外実施に向けて,コロラドでの現地調査を実施する。ワークショップではTAを活用する。地域貢献行事もあるおもしろワクワク化学展と,夢化学21事業でそれぞれ3700人,1800人規模の行事を主催,開催することが出来た。また,海外での調査研究並びに先行研究に関して本学で3回講演会を実施した。成果公開,調査研究を次年度以降も開催し,成果を蓄積する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,対象地域をタイ,中国,スペインなど,更に広げるべく準備を重ねていきたい。また,リード化合物の合成法を基に,物性データを蓄積し,学術的な裏付けを強固にする予定である。問題点は今のところない。
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