研究課題/領域番号 |
23300290
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研究機関 | 筑波学院大学 |
研究代表者 |
垣花 京子 筑波学院大学, 経営情報学部, 教授 (50248754)
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研究分担者 |
松岡 東香 筑波学院大学, 経営情報学部, 講師 (10406887)
佐野 司 筑波学院大学, 経営情報学部, 講師 (80406024)
銀島 文 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 統括研究官 (30293327)
石内 久次 鳴門教育大学, 経営企画本部, 事務補佐員 (00532912)
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キーワード | 不確実性 / 科学教育 / 知の創造 / 電子教科書 / 数学教育 / 資料の活用 / 統計的思考の育成 / 統計的活動 |
研究概要 |
1、「不確実性の概念についての教育的意義と教育での必要性を明確にし、不確実性の概念に対する子供の認識形式の発達構造の特質を解明する」目的に対して、統計学の進歩の中から出てきた概念、ケインズの経済学から始まり現在に至る概念について調べ、一方、情報処理学会の「統計科学」という観点からの議論や米国MAM(Mathematics Awareness Month)の「複雑系の解明」の議論の中取り上げられている概念を分類、分析し、学校教育での「不確実性の概念」を定義し、その必要性について検討した。教育における「不確実性の概念」を「ある目的で集められたデータについて個々の値にとらわれずに全体を確率分布を有する状態(データ全体を分布の形として表現可能)として捉えることである」と定義し、その教育活動は「色々な事象に対して不確実性の概念のもとでその分布の意味や分析方法を理解し、結果を利用し意思決定や知の創造につながる活動をすること」と定義した。今後、子供の認識形式の構造の特性を明確にするための調査を実施する。 また、小中学校の教員対象に統計的思考の育成の中での「不確実性の概念」の理解とその教育活動について研修会を実施した。 2、「科学教育として不確実性の概念を軸とし,「知の創造」を目標とする統計的思考の育成を視座に、"統計(科学)を創る教育"のために新しい教育課程編成を構築し,それに伴う学習コンテンツを開発する。」目的に対しては、カリキュラムの流れを構築し、学習コンテンツの枠組みを作成した。そのために、自然現象にかかわるデータ、経済関係のデータを収集したり、簡単にできる実験を計画し、教材化し、教科書の中でシュミレーションの活動ができるような電子教科書の形でプロトタイプを制作し始めたところである。また、それぞれの教材に対しては、SPP(Science Partner Project)で高校生と実験をしたり、大学生、社会人を対象に実践し、その成果と問題点を解明し、分析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「認識形成の発達的構造の特性解明」について遅れている。その理由は、今までのミスコンセプションなどではなく、今回定義している「不確実性の概念」に沿った形で、概念の認識に関する調査項目の洗い出しに時間がかかり、調査を始められない状況にいる。ほかの目的に関して、教材集めや実験、プロトタイプの作成はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)「不確実性の概念の認識形成の発達的構造解明」調査に関しては、いろいろな専門家に相談したり、海外の文献をさらに調べ、早急に調査書を作成し、調査をする計画である。 (2)電子教科書の開発に関しては、さらに工夫し、実践を通しながら、進めていく。
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