研究課題/領域番号 |
23300290
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研究機関 | 筑波学院大学 |
研究代表者 |
垣花 京子 筑波学院大学, 経営情報学部, 教授 (50248754)
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研究分担者 |
石内 久次 鳴門教育大学, その他部局等, その他 (00532912)
松岡 東香 筑波学院大学, 経営情報学部, 講師 (10406887)
銀島 文 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (30293327)
佐野 司 筑波学院大学, 経営情報学部, 講師 (80406024)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 統計的思考 / 統計的活動 / 創造性 / 不確実性 / 数学教育 / 中等教育 |
研究概要 |
本研究は2つの目的を持って進めている 1つ目は,統計に関する次世代教育の検討にあたり,最近日常的に使われている「不確実性事象」という言葉に対する認識の発達的構造を明らかにすることである.1年目は,この言葉の時代的背景を経済学,統計学,情報科学などの分野から調べ,数学者,数学教育関係の専門家にも意見を聞き,現在的な観点で教育的定義を与えた.24年度は,定義に基づき,事例をあげ認識調査を高校生,大学生を中心にプロトタイプで試みた.統計で扱う不確実性が適応される事象と数学教育の中で解が1つになる理論からなる事象を上げ,その判断を仰いだ.その結果,「どちらともいえない」と答える人が多く,明確に区別出来ていないことがわかった.まだ,判断の基準として「日常的なことだから」と答えるなど「データからの結果」とは意識していないことが示唆された. 2つ目の目的は,先に定義した不確実性の概念を取り入れて,「統計(科学)を創る教育」を目指して,「とらえる,あつめる,まとめる,よみとる,いかす」という5段階の統計的活動による一連のカリキュラムを構築し,デジタルテキストを開発することである.本年度は昨年度に引き続き,バラツキのあるデータの特徴から全体の特徴をとらえ,意思決定をしたり,新たな知を創る活動を実現する教材を集め,一連のカリキュラムを構築した.それらを中学生,高校生,大学生で実験し,これらのカリキュラムに沿ってデジタルテキストを開発し,その中で,実際のデータを使って分析できる環境,知識の確認ができる環境をつくった.中学校・高等学校の教員からいろいろな意見をいただき,改良をした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 本年度は,不確実性概念の認識調査は高校生以上に対して国内,国外でもプロトタイプとして実施した.認識の発達段階の解明のためには小・中学生に対する調査も計画したが,調査項目のさらに研究する必要が出てきたので発達段階の解明に至っていない. (2)開発した教材についてiPadを1クラスの生徒分購入し,携帯端末での活用実験も行う計画を立てた.いままでの「統計(科学)で知る教育」から「統計(科学)を創る教育」へと全く違う形でのカリキュラムを構築し,中学校・高等学校の教員を対象にPC上での研修会を開いたり,個別に携帯端末の利用実験をしたところ,教材そのものにいろいろなご指摘をいただき,改良を加える必要が出てきた.また,iPadでの学習環境に関する研究もさらに必要であることが分かってきた.年度内では教材の改良が間に合わず,iPadの購入を次年度に繰り越して本事業を実施した.
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今後の研究の推進方策 |
「不確実性の概念」に関する発達段階の解明とデジタルテキストの完成を目指す.
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