研究課題/領域番号 |
23300292
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
松原 静郎 桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 教授 (50132692)
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研究分担者 |
堀 哲夫 山梨大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30145106)
高橋 三男 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (40197182)
後藤 顕一 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (50549368)
松原 憲治 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 主任研究官 (10549372)
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キーワード | 科学教育 / 環境教育 / 持続可能な発展 / 科学的態度 |
研究概要 |
研究目的に従って、次の四つの柱で研究を進めてきた。 学習教材の改訂:持続発展教材(SD教材)の一つであるプラスチック教材を、挿絵や図表を使って視覚に訴える形とした改訂版を作成した。この教材ではプラスチックの利用について持続可能な社会の観点から考えさせている。学習後、生徒はプラスチックの有用性と問題点を知り、問題点の解決のためにはさまざまな取組がなされていることを理解した。また、「SD教材の枠組み」の目標の一つである「科学者や技術者の努力を知り、科学技術に前向きな意識を持つ」観点からの記述が随所に見られた。 実験教材の開発実践:二酸化炭素濃度と酸素濃度の時間変化を高精度で同時計測できる計測システム及び空気電池を用いた酸素センサを4道県の教育センターに貸し出し、活用事例の研究と研修講座や視覚障碍者対象の授業等での実践をしていただいた。計測システムには読み上げ機能があり、視覚障碍者に対する理科教育での活用を行った。研修に参加した多くの教員より教具として評価する意見をいただいた。 科学的態度の育成:科学の重要な概念の一つであるモデル化に関して、ロウソクの消炎現象を使った研究授業を中等教育学校で実施した。その際、8道県教育センターの指導主事等の参加を得て、酸素センサを使用しての測定実験及びセンサの活用方法も含め、意見交換を行った。 アジア諸国との協働研究:SD教材の一つである大気汚染対策教材のワークシート4をマレーシアとフィリピン、インドネシアの3か国で実践し、東京地区で第2回国際ワークショップを開催して、各国での実践結果の報告やわが国での実践の視察をし、共通理解を深めた。さらにアジア版として改訂していくこととし、そのための実践を各国で行うなど協働研究を進めることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的にしたがって、四つの研究の柱のいずれもが進展している。学習教材ではプラスチック教材を改訂し、実験教材の開発実践ではセンサを用い視覚障碍者を対象として実践、科学的態度の育成ではモデル化について実践し、アジア諸国との協働研究では当初の予定にはなかったが各国からの強い要望により第2回国際ワークショップを9月に開催した。
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今後の研究の推進方策 |
四つの研究の柱についてさらに推進していく。学習教材についてはこれまで開発改訂してきているプラスチック教材や水教材を含め、さらに実践を重ねる。実験教材についてはセンサを1,000台準備し各県教育センターと連携して実践活用していく。科学的態度についてはモデル化の概念を通して育成を図る。アジア諸国との協働研究で、第3回国際ワークショップはフィリピン大学での開催が決まっており、そこで大気汚染対策教材ワークシート4の実践報告をし、アジア版として改訂していく。
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