研究分担者 |
黒木 哲徳 南九州大学, 人間発達学部, 教授 (90022681)
三宅 正武 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 名誉教授 (70019496)
真島 秀行 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 教授 (50111456)
清水 美憲 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (90226259)
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研究概要 |
本研究は,学校数学教育カリキュラム策定における数学リテラシー概念の応用を踏まえ,1)数学教員の持つべき数学リテラシー像の策定;2)教員養成数学カリキュラムモデルの構築;3)教員養成数学カリキュラム教材の開発を行うことを目的としている。本年度は次の活動を行い,成果を得た。 0.基本的に,南九州大学で研究集会(本年2月)を開催すると共に,京都大学数理解析研究所での日本数学会教員養成系懇談会主催の共同研究に参画,名古屋リテラシーフォーラムの講演会(昨年6月)に参加するなどの活動の中で研究を進めた。 1.教員のリテラシー像策定に関しては,学校教育における学習指導要領改訂の時期に当たったこともあり,改訂における数学リテラシーの果たした役割について改めて考え直し,またこれについての世界的流れを学ぶこととし,それに基づく教員のリテラシー像策定は次年度に行うこととした。6月のシンポジウムで科学リテラシーとの関連を,また2月の研究会で「教育数学」について議論し,またアメリカでの最近の動きについて学んだ。 2.3.の研究を教員養成系懇談会の共同研究の中で進めると共に,主に3の教材開発の実践研究報告を南九州大学での研究集会のテーマとし,その内容は報告集としてまとめられた。これらについては,実践の成果の評価を含め,なお2年目以降継続して行く予定である。 この他の活動として,数学教育の会が2回開催され,また名古屋大学数学教育セミナーが4回開催された。この中では学習指導要領改訂に呼応する形で,統計的内容について多くを学んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初目標の2.3.にかかわる部分は上の活動報告に述べたように順調に進展したが,1.における数学リテラシー像の素案を策定するに至らなかった点が遅れと言える。しかしこれをまとめる上での原理的な考え方についての議論は深まっており,2年度目にはコアカリキュラム策定委員会が動き出すこともあって,進展させることができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
数学リテラシー像の策定については,蟹江氏の「教育数学」の考え方に平行する形で議論を進めて行くが,まずその原理的部分について考察し,論考をまとめる予定である。併せて学校教育での数学リテラシー像に基づく教育が何かについてさらに考察して行く。このため具体的な素案作成はさらに遅れることとなろう。カリキュラムモデルの具体化および教材開発は,引き続き上記組織と共同研究を進めることとし,特に研究代表者の属する椙山女学園大学教育学部でも実践を重ね,また平行してその結果を批判的に検証していく。
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