研究課題/領域番号 |
23300298
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
東原 義訓 信州大学, 教育学部, 教授 (90143172)
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研究分担者 |
酒井 英樹 信州大学, 教育学部, 教授 (00334699)
鈴木 俊太郎 信州大学, 教育学部, 准教授 (10548233)
余田 義彦 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (20191653)
島田 英昭 信州大学, 教育学部, 准教授 (20467195)
谷塚 光典 信州大学, 教育学部, 准教授 (30323231)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 教育工学 / 情報システム / 教授学習支援システム / システム開発 / デジタル教科書 |
研究概要 |
本研究の目的は、学習者・教師ともにコンピュータ(スマートパッド)を占有できる環境を想定した、電子教科書と連携した学習者・教師用情報端末のための教育システム(スマートスタディ)及び指導法を開発することであった。 本年度は、昨年度に開発したプロトタイプの稼働テストとプログラムの修正を行い、試行用システムを完成させ、小学校および中学校における試行と評価を実施した。 主な機能は、ソーシャルリーディング機能であり、児童・生徒はタブレットPC上の電子教科書の文章に付けたマークや入力したコメントを共有できる。この機能を国語の授業で用いて評価を行い、改善点を整理してシステムの改良を行った。 電子教科書と連携した電子ワークシート機能を新規に開発する。この機能は、タブレットPC上でペンによって入力したストロークデータを時間情報と共に保存し、共有して、そのデータから描画過程を再現できるもので、児童の思考過程や表現過程を記録し再現することに役立つものである。 これらの機能を統合したシステムを開発し、試行を行い、評価と改善を行った。また、これらの機能を活用した、指導方法のモデルを開発し、モデル授業を行って実践事例集としてビデオでその様子や、指導のコツを共有できるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ソーシャルリーディング機能の実装により、児童・生徒はタブレットPC上の電子教科書の文章に付けたマークや入力したコメントを共有することができるようになり、その結果、全員が発言し、全員の意見を参照する授業が実現できた。これについては、学習者、教員ともに、効果を指摘しており、期待以上の成果を上げることができた。 ただし、既存の電子教科書は著作権の関係から、テキストデータとして本文が提供されることが困難であったため、テキストデータを改めて入力する必要があり、電子教科書と自動的に連携して稼働するシステムの構築は不可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、複数のOSに対応すること、それらが混在する教室環境で稼働するようにシステムを改善し、実際の授業で試行を行うことである。 また、開発したシステムを多様なユーザに利用してもらい、その評価を得て、改善し、さらに、本システムを活用した指導方法を確立することである。 実際の学校の校内無線ネットワークは、本システムの稼働には不十分なこともあり、本システムの稼働に必要なネットワークの条件の明確化や、同時に稼働している他のシステムへの影響等を調査する必要もありそうである。
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