研究課題/領域番号 |
23300299
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
不破 泰 信州大学, 総合情報センター, 教授 (00165507)
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研究分担者 |
鈴木 彦文 信州大学, 総合情報センター, 准教授 (30300578)
山崎 勇 信州大学, 工学部, 助教 (80554576)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 学生サポート / カウンセリング / アセスメント・支援 / ICカード |
研究概要 |
本研究の目的は,(1)学生の日頃の行動を個人情報保護に十分注意したうえで把握し,カウンセリングによる判定を受けるべき学生(以後「要判定学生」と呼ぶ)を早期に発見する手法の確立と,(2)判定結果に沿いサポートを行うに際し担当者間で互いのケア内容や学生の行動状況の共有と,サポートの効果を見るため学生の行動を把握する事を可能にする学生ポータルサイトシステムを開発することである.この目的達成のため4年間の研究期間の2年目である平成24年度は,3つの研究課題のそれぞれについて次の実績を達成した. 1.学生情報の整備:H23年度開発の学生の行動把握のための学生が携帯するICカードによる授業の出欠,建物の出入りや研究室への出入り等の入退室情報を管理するシステムについて、H24年度前半に学生および教員に、情報の取得方法及び閲覧についてのヒアリングを実施した。その評価を元に、学生情報に関わるカードリーダ表示画面及びデータの検索方法について改修を行った。 2.学生情報アクセス権限の管理:H23年度に暫定的に確立した個人情報保護に関するポリシーを元に、本運用でのポリシーの決定に向けて審議を行うワーキンググループを複数の部局と連携して立ち上げた.このワーキングでは現行の各システムにおける学生情報の所在とそのアクセス権限について調査し、その上で,今後ポータルサイトに学生情報へのアクセス権限管理機能を付加するための機能整理を行う方針をたてることとした。 3.要判定学生抽出システムの開発:H23年度に明らかにした企業での入退室の履歴情報から鬱症状のある人を抽出する仕組みを大学で応用するための検討を行った。その結果、まず学生が大学内で行動するライフログを用いた仕組みを国立情報研究所と共同研究で行い、ライフログが表示される仕組みの試行運用を実施し、学生の心理的抵抗を確認する基礎実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画において,1.学生情報の整備については進み、心の負担にならない情報取得の評価実験計画まで進んだ。2.学生情報の洗い出しを行い、学生情報アクセス権限の整備を判断できるチームを構築したが、方針の決定には十分な審議を重ねる必要が生じ、25年度まで時間を要する。3.国立情報学研究所と共同で、出席情報にメンタルケアが必要な学生を判定するシステムの開発を行った。要判定学生抽出システムの開発は予定していた手法の確立に、大学生活全体を考えた総合的な視点を取り入れる取り組みも進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1.学生情報の整備:平成24年度に試行を開始したICカードリーダを用いた出欠情報を元に、授業の出欠情報のみならず、図書館や大学構内の建物の入退室履歴、情報システムの使用状況より広い学生のライフログデータを含める。また、学生からの情報の入手方法については実際に様々な入手方法を評価実験し、学生の心の負担にならない受け入れやすい方法を検討する。 2.学生情報アクセス権限の管理:平成24年度、大学内に学生情報のアクセス権限に関する審議を行うためのワーキンググループを、他部局と共同して立ち上げた。25年度は、このワーキンググループにて、各情報のアクセス権限をユーザに関する様々なカテゴリーを定義した上で規定する。さらに、このユーザのカテゴリーを大学の統合認証システムに盛り込む。 3.要判定学生抽出システムの開発:カウンセリング担当者とルールを定め、データマイニングの評価を行う。抽出の精度を高めるために必要なルールについて審議した上で開発する。
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