研究実績の概要 |
H23年度に明らかにした企業での入退室の履歴情報から鬱症状のある人を抽出する仕組みを,大学で応用するための検討をH24年度以降で行った.H24年度及びH25年度にて,まず,学生が大学内で行動するライフログを用いた仕組みを,国立情報研究所と共同研究で行い,ライフログが表示される仕組みの試行運用を実施し,学生の心理的抵抗を確認する基礎実験を実施した.その実験結果では,ICタグとセンサーを使用した行動収集は,ものを取り出したり何かにかざすような身体的負担が少ないにも関わらず,「他者にモノのように管理されている気がする,自分が家畜や図書のような気がする」等の「心理的負担」が高いことが示された.また,大勢がカードリーダに学生証をかざす実験では,「カードが受け付けられた」ことを認識する点において,受付を知らせる刺激が少ない場合は,前の人の刺激なのか,自分なのかがわからず,2度カードをかざす行動が観察され,人数が多くなればなるほどその行為が増える結果が,打刻データから結果がでた.これらの結果から,精神的な問題を抱えた学生もそうでない学生にとっても,情報を収集する仕組みそのものが心理的な負担を生じされるものになることを避けた上で学生のライフログを収集する仕組みを開発した.その上で,学内での審議のもと,2種類の選択肢,学校に2週間来ていない学生と,特定の科目を2回連続で欠席している学生を抽出する仕組みを作り,これを「要判定学生抽出システム」として.H26年度に全学的に抽出する仕組みを持つことができた.
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