研究課題/領域番号 |
23300309
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研究機関 | 多摩美術大学 |
研究代表者 |
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40192025)
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研究分担者 |
溝口 博 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00262113)
生田目 美紀 筑波技術大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20320624)
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ユニバーサルデザイン / 人形劇 / インタラクティブコンテンツ |
研究概要 |
本研究では、聴覚障害をもつ観客とのインタラクションを活性化するために、観客の反応で台詞やシナリオをインタラクティブに変更できるシステムを実現する。平成24年度は、モバイルシアターを開発した。プロトタイプの実験を行い、結果を分析した。詳細は以下である。 ①モバイルシアターの開発:プロットタイプで実験できるように開発を行った。人形の位置をカメラまたは超音波でリアルタイムに検出することによって適切な場所・タイミングでスクリーンに台詞を表示するとともに、ストーリーの展開に参加性をもたせ、レーザデバイスを用いた即興性を確保する。これには、すでに我々が開発した可搬型レーザ装置とカメラ画像・超音波認識技術を利用した。 ②モバイルシアターのプロットタイプの実験及び分析評価:モバイルシアターのプロットタイプの実験を筑波技術大学において学生対象に行った。筑波技術大学の学生さんの協力により要素技術の改良点が明確になった。 ③モバイルシアターの改良及びコンテンツのデザインの改良:コンテンツの彩度、台詞の表示や速度、またシステムインタフェースの子ども向けの改良などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、モバイルシアターを開発した。またプロットタイプで実験を行い、要素技術の改良点が明確となってきた。次年度での養護学校での実験については、養護学校との連携も順調であり、確実に実行できる予定である。今年度の成果も論文化できた。①モバイルシアターの開発:プロットタイプで実験が可能となった。 ②モバイルシアターのプロットタイプの実験及び分析評価:モバイルシアターのプロットタイプの実験を筑波技術大学において学生対象に行った。人形の細かい動きや激しい動きにも対応し、安定して計測が可能かどうかハードウェア・ソフトウェアの精度および、人形劇の人形とシナリオデザインの完成度をユーザの評価によって検証した。 ③モバイルシアターの改良及びコンテンツのデザインの改良:次年度にむけてプロットタイプの実験分析結果をもとに改良を行った。制作には、映画の台詞の専門家からのアドバイスを受けた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に引き続き、25年度はモバイルシアターの改良を行う。評価実験を行い、成果をまとめる。 ① 台詞制御用ソフトウェアの改良:人形劇のシナリオとの整合性を高める。 ② レーザシステムおよび、位置計測システムの改良:特別支援学校や小学校での教室での実験にむけて、精度を高め、複数の人形を用いるシナリオでの調整を行う。 ③ 実証実験の実施及び分析評価:小学校の児童や聾学校の子供たちを対象に、開発したモバイルシアターによる人形劇の演目を公演する。教育的・デザイン的な分析を通して、社会的な波及効果も含めた評価を行う。人形劇団との連携し、一般の子供たち向けのワークショップを実施する。 ④ 研究の成果と発表:実証実験の最終成果を国内外の学会で発表し、芸術の側面からユニバーサル社会へのアプローチを提言する。成果を論文化して公表する。
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