研究課題/領域番号 |
23300310
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
繁桝 算男 帝京大学, 文学部, 教授 (90091701)
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研究分担者 |
宮埜 壽夫 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (90200196)
大津 起夫 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10203829)
椎名 久美子 大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (20280539)
星野 崇宏 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (20390586)
岡田 謙介 専修大学, 人間科学部, 准教授 (20583793)
荒井 清佳 大学入試センター, 研究開発部, 助教 (00561036)
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キーワード | 効用評価 / AHP / ベイズ階層モデル / 妥当性 |
研究概要 |
本研究プロジェクトの目的は、大学入学者選抜における一連の手続きを意思決定システムと見なすという新たな視点から、入試選抜で必要とされることを明らかにし、入試をより良くするための入学者選抜システムを提案することである。本年度は次のような方法を開発した。 (1)大学側が望ましいと評価する学生を合格とする場合の効用と不合格とする場合の損失を評価する方法として、AHP(Analytical hierarchical Process)に基づくモデルを作り、そのモデルのパラメータをベイズ的推論を用いて精密に推定する方法を開発した。この方法は、入試選抜資料(たとえば、学力試験、内申書、面接、論文)などの重要性を一対比較によって重要度を推定するパートと、それぞれの結果を効用曲線で表現するパートからなる。各受験者の効用は、それぞれの効用の加重平均である。 (2)想定される多様な選抜に対応した、追跡調査の結果をデータとして入試選抜の妥当性を推論する分析方法を開発した。これは選抜の様相をデータから直接導かれる経験分布によって近似し、その情報を用いて全体母集団での相関係数を、条件付き尤度を用いて推定する方法である。この場合の推定方法もベイズ的推論によっており、得られた推定値の精度を直接表現できる。 そのほか、テスト理論が入試との関連においてどのような点で貢献するかについてまとめた。また、3月には、分担者のほとんどが一堂に会してワークショップを実施し、意見を交換した。大学入試センター入学者選抜研究機構主催のシンポジウム等において、大学全入時代において選抜はどうあるべきかについて、より具体的にはアドミッションズオフィスでどのような業務を担うべきかについて議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初の年度の目標は達成した。その成果は、24年度に専門研究誌に投稿する。また、次年度やるべきことも明確になっている。
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今後の研究の推進方策 |
分担者が合宿形式で活発な議論を行い、お互いの情報を交換をしたが、今後、それぞれの達成を相互に統合する努力を一段と強める。また、本プロジェクトの2年目として、これまでの成果をまとめ、できるだけ多くの論文を専門誌に掲載を目指す。
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