研究課題/領域番号 |
23300311
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
村上 正行 京都外国語大学, マルチメディア教育研究センター, 准教授 (30351258)
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研究分担者 |
中村 和晃 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10584047)
椋木 雅之 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (20283640)
角所 考 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50263322)
山肩 洋子 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60423018)
飯山 将晃 京都大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70362415)
西口 敏司 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (80362565)
豊浦 正広 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (80550780)
森村 吉貴 京都大学, 物質-細胞統合シ ステム拠点, 助教 (80578279)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 講義状況推定 / 姿勢推定 / 集中場面 / 授業改善 / 可視化 |
研究概要 |
授業改善に有効と考えられるビヘイビアとして授業中の受講者の視線・顔や体の向きが考えられることから,実際の授業における受講者映像を用いて,下記の研究を行った. まず,受講者の姿勢情報の分析を容易にすることを目指して,深度センサーを用いて授業映像から受講者を三次元可視化する手法及び定量的な分析の可能性について検討した.一般的なビデオ映像とは異なり,深度センサーでは奥行き情報も獲得できることから,より分析しやすい可視化が期待できる. 次に,講義の受講者の撮影映像から,教室全体が講師の話に集中しているような雰囲気にある状況を認識するための処理の実現方法について検討した.まず,講師の話に集中しているような雰囲気に対応する観測特徴について検討したところ,前方向を向く受講者の割合との相関が強いことがわかった.そこで,顔画像処理によって前方向を向く受講者の割合を求める処理を実現し,その結果に基づいて講師の話に集中しているような雰囲気にある状況の認識を試みたところ,7割程度の認識率が得られた. また,ビヘイビアを表示するインターフェイスのプロトタイプとして,ActVis (Activity Visualization)と名付けたシステムを実装した.画面上での範囲設定機能により,映像中の複数対象の活性度の監視を実現する.範囲はクリック動作によって利用者が簡単に設定することができ,監視したい対象を囲うような領域を設定することを想定している.パネル内のフレーム間差分量を検知することにより,パネル内での活性度を記述する.映像の全体から各パネルの活性度をシークバーとして記述することで,映像の各時刻での活性度を俯瞰できるようにする.また,複数のパネルの差分量を1つのシークバーに合わせて表示することで,個々の対象だけでなく,群や全体の活性度も表示することができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
講師・受講生のビヘイビアの自動獲得に関する方法の開発については,受講生の顔の向きからの集中度の推定,活性度(動き)検出,姿勢推定の支援までは実現できており,少し遅れている部分はあるものの,ほぼ予定通りである.今後,これらの情報を統合するとともに,精度をあげていくこと,情報の密度をあげていくことを行う予定である.また,群に注目したビヘイビアの推定も必要となる. 受講者群のビヘイビアを提示する授業改善支援システムの開発については,プロトタイプの開発が終了しており,予定通りである.今後,ビヘイビアの情報を取り入れるとともに,インターフェイスの改善を行う予定である. 本システムを活用した授業改善の方法論のデザイン・実践については,サーベイやプレ実践を行なってきており,おおむね予定通りである.今後,プロトタイプの評価,実際の授業のデータを活用した上での授業改善を行なっていく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
(A)班: 講師・受講生のビヘイビアの自動獲得に関する方法の開発:これまで,受講生の顔の向きからの集中度の推定,活性度(動き)検出,姿勢推定の支援を行なってきたことから,これらの情報を統合して受講生や受講生群のビヘイビアの推定精度をあげていくこととともに,情報の密度をあげていくことを目指す. (B)班:受講者群のビヘイビアを提示する授業改善支援システムの開発:プロトタイプとして開発したActVis (Activity Visualization)に,ビヘイビア情報を統合していき,インターフェイスの改善を行う. (C)班:本システムを活用した授業改善の方法論のデザイン・実践:ActVisを活用し,本研究のメンバーや他の教員の授業を対象として,本システムを活用して授業改善に取り組んでもらい,実践を積み重ねて本研究課題の評価を行う.授業中の参与観察,本システムに対する評価,本システムを活用した授業改善について振り返りのインタビューなどを行って分析する. これらの研究成果の報告として,随時,日本教育工学会,教育システム情報学会,人工知能学会,電子情報通信学会,Cyberworldsなどで研究発表を行う.
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