研究課題/領域番号 |
23300312
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
黒上 晴夫 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20215081)
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研究分担者 |
稲垣 忠 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (70364396)
岸 磨貴子 京都外国語大学, 国際平和研究所, 研究員 (80581686)
寺澤 孝文 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90272145)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 思考スキル / シンキングツール / 学習プログラム / 思考力 |
研究概要 |
学習指導要領解説の各教科で想定される思考スキルを抽出した初年度の結果を受けて,教科および総合的な学習の時間に共通して育成する思考スキルに統合・整理を行った。その結果19の思考スキルに絞り込むことができた。また,それらの相関をもとにして,小学校の間に培う思考スキルの見取り図を描くことができた。 シンキングツールについて,活用ガイドを公開した。これを受けて,思考スキルを育成するシンキングツールを用いた実践を実施し,参観すると同時に学習成果を確認した。また,その中でシンキングツールを用いる順序や方法についての課題も浮かび上がってきた。これをもとにして,より丁寧な解説書の開発が必要となっている。これを25年度の課題の一つとする。 シンキングツールの短期・長期的効果について,関西大学初等部においてデータを蓄積するための調査枠組みが確立できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
思考スキルについて,学習指導要領の分析をもとに,小学校で身につけさせたいものを19個に整理統合し,その関係性を,低学年,中学年,高学年のレベル別およびレベル間で図示することができた。これと,昨年度作成したシンキングツールの関連を,今後詰めていく見通しがたった。 また,情報教育と思考スキルに関する全体的な枠組みの再検討ができた。これは,教育メディア研究への投稿論文として査読され,採録された。 昨年度より開発してきた,思考スキルの学習状況を評価する枠組みがほぼ完成し,来年度の評価研究に向けて見通しがたてられた。 オーストラリアにおける思考スキル育成方法についての調査が,Making Thinking Visibelという書籍の翻訳として結実する方向性を見いだすことができた。それを実施しているビアリクカレッジという小学校の視察を経て,研修に参加することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
学習指導要領をもとにした,思考スキルの体系についての研究を,投稿する。この論文にでまとめた知見をもとに,シンキングツールを思考スキルと対応させて育成する方法についての著書を完成させる。 思考スキルの育成状況の評価を,学習プログラムを実施している関西大学初等部を中心にして,実施する。 シンキングツールの活用については,仙台を中心にシンキングボードの開発を行っている。この活用を広め,その効果等の知見を集める。 オーストラリアにおける思考スキル育成方法についての著書を翻訳するとともの,それを参考にした実践の実施について検討する。現場との交渉がうまくいけば,実施を試みる。
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