研究課題
不可視2次元コードを活用して新しい2種類の音声問題、すなわち文字と音声のマルチモーダル問題と文書構造表音声問題の実用化を図るため、中間年の本年度は次の研究を行った。1 音声問題作成支援システムの開発--文字と音声のマルチモーダル問題を一貫作成するオーサリングシステムを開発した。問題のデータファイルが解析され、文書構造の区分と2次元コードの割り付け及び合成音声作成用データの出力等の一貫作成が可能となった。また、文書構造表音声問題も一貫作成可能となった。オーディオプレーヤの内部プログラムを書き換えることにより、1本のデジタルオーディオプレーヤで音声問題を読みながらリスニングテストが受けられるリスニングテストシステムを開発した。点字問題と点字の文書構造表音声問題を印刷するため、点字教材作図ソフトウェアを開発した。作図言語の採用によりCUIで作図コマンドを入力するエディタウィンドウとマウス等を使用してGUIで描画する描画ウィンドウとが相互に連動したユーザインタフェースを備えたユニバーサルデザインを実現した。2 平成24年度評価実験--高校入試問題を出題した評価実験の結果、この2種類の音声問題は国語・英語・数学・社会・理科の5教科の出題が可能となることが見出された。得点は点字問題、拡大文字問題及び通常文字問題とほぼ同水準であった。また、英語リスニングテストも可能であることも見出された。3 特別問題所内一貫作成システムの開発--音声問題一貫作成オーサリングシステムと点字教材作図システムとを統合して、特別問題の一貫作成が可能となった。各種特別問題は一貫作成した方が問題の質の向上と作成作業の効率化及びセキュリティの向上と大幅なコスト削減が可能となる。
1: 当初の計画以上に進展している
2次元コード音声問題一貫作成オーサリングシステムが開発され、5教科の音声出題が可能となった。特に文字認知障害者用のリスニングテストシステムの開発に成功した。
初年度の総合試験問題、次年度の高校入試問題に引き続きセンター試験問題を出題する第3次の評価実験により、2次元コード方式の音声問題の総合的評価を行う計画である。また、障害受験者に対する公平な試験を実施するため、試験時間延長率の推定と出題問題量の適正化の研究を進める計画である。
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大学入試研究ジャーナル
巻: 23 ページ: -
Proceedings ofICCHP 2012, Part I, LNCS
巻: 7382 ページ: 111-118