研究課題/領域番号 |
23300314
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栗田 佳代子 東京大学, 大学総合教育研究センター, 准教授 (50415923)
|
研究分担者 |
尾澤 重知 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (50386661)
加藤 由香里 東京農工大学, 大学教育センター, 准教授 (90376848)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ティーチング・ポートフォリオ / 効果検証 / ファカルティ・ディベロップメント |
研究概要 |
前年度は,大学教員の主体的な教育改善および教育の質に関する統合的な教員業績評価手法として注目されているティーチング・ポートフォリオ(以下,TP)の作成ワークショップとアカデミック・ポートフォリオの作成ワークショップの提案を行い,導入支援環境としての「ティーチング・ポートフォリオ・ネットワーク」サイト(以下,TPNサイト)の始動と全国の導入機関および導入予定機関,そして個人を結ぶネットワーク構築の準備を整えた.これらを踏まえた調査研究を行った今年度の主たる研究実績の概要について下記に挙げる. 【導入支援環境としてのTPNサイトのブラッシュアップ】導入支援環境としてのTPNサイトに機能追加を行った.具体的には1)ワークショップスタンダードの公開,2)導入機関の紹介,3)google mapを利用したTPの普及状況の公開,4)google calendarを利用した全国のWSスケジュールのシェア,5)個人利用環境の整備,6)ワークショップ支援環境のプロトタイプ構築,が挙げられる. 【ワークショップの質保証】TPの質保証を目指した,TP作成ワークショップについて7つの基準および4つの努力基準からなるワークショップスタンダードを策定し,既述のとおりウェブサイトに公開した.英語版も作成してアメリカのTP導入機関担当者にも評価を受けている.また,導入機関にワークショップスタンダードの活用についてインタビュー調査を行った. 【 TP作成後のフォローアップ調査】TP作成者にその効果および活用についての調査を行い,データ分析を実施した.作成の目的および意義,ワークショップの効用,メンターとしての活動の意義などについては,おおむね肯定的な評価が得られ,ワークショップ時だけでなく,一定のサステナブルな効果が確かめられた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書にかかげた目標は全て達成されているため,おおむね順調に進展していると判断できる.
|
今後の研究の推進方策 |
本研究で得られた知見は,本研究の課題の一つでもある「ティーチング・ポートフォリオ・ネットワーク」サイトにおいて広く還元できるような形式で公開をしてゆく. 本研究では,TPの導入機関とのネットワークの維持が重要な鍵となる.本サイトを活用したネットワーキングの拡大を行い,活用状況についての継続的調査の手段を確保する予定である. また,実際の作成者個人についても本サイトに登録をしてもらうことでネットワークを保持し,データ収集のあしがかりとする.双方向性の情報発信の仕組みを有しているため,TPを作成したら終わりではなく,サステナブルな教育の個人内質保証のツールとして位置づけることに資する.
|