研究課題/領域番号 |
23300319
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
脇田 久伸 福岡大学, 理学部, 教授 (50078581)
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研究分担者 |
栗崎 敏 福岡大学, 理学部, 助教 (20268973)
中村 政俊 佐賀大学, その他の部局等, 名誉教授 (50038080)
青木 歳幸 佐賀大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60444866)
相良 英輔 広島経済大学, 経済学研究科, 教授 (70124071)
小野寺 英輝 岩手大学, 工学部, 准教授 (50233599)
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キーワード | 製鉄技術の伝承 / 佐賀・出雲・盛岡南部 / 在来知 / 鉄製大砲 / 鉄産業の展開 / 砲術書 / たたら / 田部家 |
研究概要 |
製鉄に関して江戸末期に特色があった佐賀・出雲・盛岡南部地域について、製鉄技術の伝承・情報伝達・品質向上の展開状況を文理融合型研究体制で分析した。今年度はこれら3地域の鉄産業技術の展開状況の解明に加えて海外の鉄産業技術の地域展開状況を調査・研究することにより日本型モノづくり創成期における在来鉄産業技術と地域社会の関わりをグローバルに体系化するためまず、中国清華大学にてシンポジウムを行い、中国の研究者と討議した。また、2回の在来知研究会を開催し、佐賀・出雲・盛岡南部に加えて鹿児島地域の地域社会への鉄産業の展開状況を在来技術を基軸にグローバルに体系化する試みを行った。 まず佐賀地域については幕末の西洋砲術家大槻磐渓につき日記の調査を開始した。伊達文庫中に、小城藩発行の『銃工便覧』を見いだし、佐賀藩の小城支藩でも砲術書を刊行していたことが新たに判明した。 次いで出雲地域については雲南市吉田町の田部家のたたら史料の史料調査を行い、あわせて史料の整理をおこなった。重要な史料については、写真を撮影した。また、田部家のたたらについて論文をまとめた。 さらに盛岡南部地域についてはこの地域を中心とした(鉄)産業の変遷について資料収集を行い、その成果を地元資料館における展示のアドバイザとして生かすとともに,次年度以降に向けての調査先の抽出を行った。 最後に鹿児島地域についても鹿児島大学の研究者と交流し、鉄産業の鹿児島地域への展開状況を調査研究した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本科研費は追加で決定・交付されたため、かなり短期間で成果を出さざるを得なかった。しかし、研究は自己資金を使って活動していたため短期間にも関わらず、2回の研究会を開催し、成果報告・討議を行え、おおむね順調に研究を行えたことは幸いである。
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今後の研究の推進方策 |
既に5月8日に今年度の第1回研究会を開催し、詐欺地域の研究の中間報告と討議を行った。さらに7月末に2回目の研究会と調査研究を出雲地域で行い、出雲地域の研究を促進する。また、10月中旬には中国清華大学を中心としは中国側研究者と佐賀でシンポジウムを開催し、中国の鉄産業技術の地域展開との比較を行うことで準備を進めている。これらの成果を報告書としてまとめるべく原稿集めも開始している。
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