研究課題/領域番号 |
23300323
|
研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
稲葉 政満 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (50135183)
|
研究分担者 |
半田 昌規 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 講師 (20538764)
江前 敏晴 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40203640)
|
キーワード | 長寿命化 / 実用強度 / 楮紙 |
研究概要 |
薄くて強靱で、保存性も高い楮紙は世界中の紙文化財の保存修理になくてはならない資材となっている。よって、より安心な高品質の楮紙を世界に送り出すことは、我が国の使命である。しかし、市販の楮紙の品質には大きなばらつきがあり、その耐久性や保存性にも大きな違いがある。本研究では、材料の生産者・修復家・材料研究者の3者が共同することで、より保存性が高く、機械的強度に優れた楮紙はどのように生産すれば良いかを明らかにすることを目的としている。 研究モデルとしては、代表的な楮紙の一つである「薄美濃紙」を取り上げ、次年度の紙製造実験に必要な楮原料を準備し、各種楮紙製造のための予備的試験を行った。また、化学的耐久性評価(試料の煮熟強さ、袋洗いの有無、?料の有無)および画像処理による紙の構造解析をおこなうための準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付決定が11月末であったため、申請段階で予備的試験のみとせざるを得なかった。ただし、次年度の研究をスムースに始められるように準備を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
当初計画では抄紙した紙の評価試験の後に、条件を変えて再度の抄紙と評価試験を予定していたが、交付決定が11月末となったため、時間的に評価試験の結果からの再度の抄紙は無理となったので、研究の進行予定を以下のように、変更した。 すぐに始める必要がある部分は、4月より抄紙を行う。一方、より強い紙を製造できるのは、より寒い時期であるため、この目的の抄紙は12月に行い、数ヶ月寝かせた上で、染色試験などを行う。
|