研究課題/領域番号 |
23300325
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
中尾 七重 武蔵大学, 総合研究所, 研究員 (90409368)
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研究分担者 |
渡辺 洋子 芝浦工業大学, 工学科, 教授 (40327755)
吉野 博 東北大学, 工学研究科, 教授 (30092373)
坂本 稔 国立歴史民族博物館, 研究部, 准教授 (60270401)
藤田 盟児 広島国際大学, 工学部, 教授 (20249973)
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キーワード | 放射性炭素年代測定 / 文化財建造物 / 重要文化財勝興寺 / さいたま市指定中山神社 / 岩手県指定村上家住宅 / 高山寺石水院 / 京都府指定天真院客殿 / 重要文化財熊野神社長床 |
研究概要 |
本研究は、歴史的建造物を対象にした放射性炭素年代測定の精度向上と有効性・信頼性の確立および普及を目的とし、文化財建造物の年代調査を行った。科学研究費補助金研究の実施にあたり、まず代表者、分担者、連繋研究者、協力者が研究集会を武蔵大学にて開催し、科研費研究全体および本年度の研究体制と実施プロジェクトの調整を行った。平成23年度には、1.勝興寺庫裏(富山県、担当中尾)、2.重要文化財新垣家住宅(沖縄県、担当中尾)、3.さいたま市指定文化財中山神社(埼玉県、担当渡辺)、4.岩手県指定文化財村上家住宅(岩手県、担当吉野)、5.重要文化財吉村家住宅(大阪府、担当中尾)、6.南谷家住宅(奈良県、担当中尾)、7.国宝高山寺石水院(京都府、担当中尾)、8.重要文化財熊野神社長床(福島県、担当中尾)、9.京都府指定有形文化財天心院客殿(京都府、担当中尾)の年代調査を実施した。1、2は文化財保存修理工事の解体調査に伴う年代調査、3は文化財指定申請準備中の建造物の年代調査で、文化財復原整備に活用された。4は震災復旧に伴う年代調査で、今後の修復整備に活用される。5、6は民家編年研究のための年代調査で、民家建築年代に迫る結果が得られた。7、8、9は保存材を用いた年代調査で、建築年代や改造年代が明らかとなった。測定結果は各所有者・管理者に年代調査報告を提出し、文化財復原整備、文化財指定申請、文化財活用に年代情報が利用された。また、i餘慶寺薬師堂(岡山県)、ii川井家住宅(京都府)、iii亀井家住宅(京都府)、iv重要文化財岡花家住宅(京都府)、v重要文化財彦部家住宅、vi重要文化財吉村家住宅の試料採取を行った。日本建築学会発表、日本建築学会論文投稿、大学紀要投稿を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成23年度は5件の年代調査を予定していたが、9件の年代調査が実施できた。また、23年度中に新たに6件の測定試料の採取を行い、24年度の年代調査の準備も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
年代調査をさらに進める。ホームページを開設する。学会発表、論文投稿を行う。文化財活用事業に協力する。
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