研究課題/領域番号 |
23300326
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
矢島 國雄 明治大学, 文学部, 教授 (70130838)
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研究分担者 |
犬塚 将英 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 研究員 (00392548)
谷口 陽子 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (40392550)
本田 光子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, その他部局等, 研究員 (60289642)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 古墳壁画 / 顔料凝集化現象 / 壁画構造 / 石室環境 / 生物劣化 |
研究概要 |
①可能な範囲で過去40年間の石室内温湿度計測値のデータ化を行い、墳丘環境の変化と観察室、石室の温度変化の相関を確認した。保存施設を被覆する植栽を行う以前、次第に石室内最高最低温度ともに上昇が認められた(1998年11月18度を超え、99年5月15.7度までしか下がらない。99年には18.3度、2002年18.1度であり、植栽後は次第に下がり石室内最高温度は、2003年17.5度となり、以後このレベルを維持している。最低温度も2006年15度となり、これも同様である。初期の計測値では最高17度、最低14.5度で推移していたことから、0.5度ほど上がったまま推移している状況にある。 ②壁画構造及び顔料の再調査の結果は、赤色顔料についてはパイプ状ベンガラであることを再確認するとともに、白土については風化した部田野石(凝灰岩)起源のモルタル状白色ペーストと考えられること、ベンガラの塗布に膠着材が使われた可能性は否定はできないが、低いことを再分析によって明らかにした。 ③壁画の顔料および白土の双方に凝集化の現象が確認されたのがこの研究の出発点であるが、過去の写真記録のデジタル化による比較を通じ、この現象が進行していることを確認した。凝集化現象がどのようにして起きるのかについては、水分移動に伴う物理的なものではないかとの仮説を持ち、テストピースによる実験を進める一方、定期的な壁画面の水分含有率祖測定を行った。期間が短く、この原因とメカニズムを究明するには至っていないため実験は継続している。 ④生物劣化に関しては、観察室で検出されたカビおよび真菌の殺菌、除菌処理を行い、清掃とUV照射を基本とする公開時の観察室管理のマニュアルを作成した。 ⑤石室内に侵入する植物根の同定を行い、排除方法を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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