研究課題/領域番号 |
23300329
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研究機関 | 公益財団法人元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
川本 耕三 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10241267)
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研究分担者 |
植田 直見 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10193806)
大国 万希子 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, その他 (40250352)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 文化財 / 出土木製品 / 保存処理 / 凍結乾燥法 / マイクロ波 |
研究実績の概要 |
概ね直径が6~8cm、重量500~800gの出土流木(丸太材)の中心部に試料温度測定のための熱電対を挿入し、マイクロ波加熱凍結乾燥装置を用いた処理実験を行った。出土木材試料の予備凍結温度は-40℃、凍結乾燥処理中のチャンバ内圧力は20Pa、チャンバの庫壁温度は-20℃、コールドトラップの温度は-50℃であった。 凍結乾燥処理を1日間行った後にマイクロ波加熱乾燥を併用した。周波数2450±50MHz、500Wの出力でマイクロ波を10~30分間照射し、試料温度が-20~-15℃まで下がった後、再びマイクロ波を照射することを複数回繰り返した。マイクロ波照射による試料温度は照射10分後で-8℃前後、20分後で-3℃前後、30分後で0℃前後であった。 このようにしてマイクロ波加熱凍結乾燥処理を3日間(70~73時間)行ったところ、マイクロ波照射を併用しなかった試料の重量は約20%減少した。これに対し、マイクロ波照射を複数回行った試料の重量は25~30%程度減少した。 実験の結果、凍結乾燥処理中にマイクロ波を照射することにより、出土木材が加熱され、乾燥が促進されることが確認できた。 また、処理実験中の出土木材試料に複数の熱電対を挿入し温度分布を測定したが、試料ごとに温度分布のばらつきが多く、凍結乾燥およびマイクロ波加熱による温度変化に傾向を見出すことはできなかった。さらに、処理実験後の試料の処理後重量をその中心部と外周部に分けて測定したが、試料ごとに重量のばらつきが多く、マイクロ波照射時間と重量分布に相関を見いだすことはできなかった。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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