研究成果の概要 |
本研究では、山梨県を中心とした本邦中央山岳域の源流域湧水を対象とし、フロン等のトレーサーを用い、その平均滞留時間を求めるとともに、水収支モデルにより、当該湧水の集水域における山体地下水貯留量を求め、その動態が地下水の水文プロセスからどのように説明されるかを検討した。 湧水の滞留時間は、10~60年程度、また山体地下水貯留量は10,000~10,000,000立方メートルと推定され、古生層、第三紀層、花崗岩の順に貯留量が少ない傾向が示された。すなわち、花崗岩地域においては、時空間的に水文プロセスが顕著に変動するため、湧水の滞留時間も時空間的に大きく変動するものと考察された。
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