研究課題
1.新規バイオマーカーとしての血中マイクロRNA量と胃がんとの関連我々はヒトの未分化型胃がん(DGC)に形態学的にも分子生物学的にもよく似た胃がんを発症するマウスモデル(DCKO)を作製した。最近、がんの新たなバイオマーカーとして血中マイクロ(mi)RNA量が注目されている。そこで、DCKOマウスを用いて、胃がんの早期診断を可能にする血中miRNAの候補の同定を試みた。担がんDCKOマウスと正常コントロールマウスの血清miRNA量をマイクロアレイで比較して、担がんDCKOマウスで高く、正常マウスで低い複数のmiRNAを候補とした。次に定量的PCRで個別のマウスの血清中でのmiRNAの量を解析した結果、miR-103・107・194・210の4個のmiRNAが有益ながんのバイオマーカーとしての可能性を示した。さらにこれらのmiRNAについて、ヒト未分化型胃がん患者と非がん対照者の血漿中での量を解析したが、有意な差は検出できなかった。しかし、miR-107は50歳未満ではヒト胃がん患者群の方が高かった。2.未分化型胃がんマウスを利用したエピジェネティクス治療薬の探索DCKOマウスのDGCの分子メカニズムを解明するため遺伝子発現プロファイルを解析した結果、胃がんで高頻度にエピジェネティクス変化を受けている遺伝子群の発現低下と、それらのエピジェネティクス変化を制御する遺伝子群の発現上昇が認められた。そこで、DGCの発症にはエピジェネティクス変化が重要な役割を果たしていると考え、エピジェネティクス治療薬をマウスDGC由来細胞株に処理した。その結果、DNAメチル化阻害剤とEzh2阻害剤がDGC由来細胞株に対してのみ細胞増殖抑制効果を示した。また、HDAC阻害剤とSuv39h1阻害剤は低濃度でもスフェア形成を顕著に阻害し、さらにin vivoでも有意に腫瘍増殖抑制効果を示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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