研究課題
エピジェネティックな修飾をゲノムの特定の領域に能動的に働かせることができる基礎技術を疾患エピミューテーションの修復技術および表現型と関連するエピミューテーションの探索技術として実用化することを目的として研究実施計画に取り組んできた。ペプチド合成機PSSM8を購入し、ポリアミド化合物の効率的な自動合成系を千葉県がんセンター研究局内に確立し、ポリアミド化合物の合成と合成化合物の生成に成功した。このポリアミド化合物とヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤SAHAとを結合させた複合体を合成し、HDACの阻害活性が有ることを確認し、何らかの変化ががん細胞に誘導できるか?また、ゲノムのヒストンのアセチル化をある特異性を持ってゲノムの特定領域に促すことができるか?さらに、標的遺伝子の発現パターンを変えることが確認できるかを検討してきた。標的遺伝子配列領域のDNAメチル化、ヒストンアセチル化およびヒストンH3K4とK27のトリメチル化の解析、遺伝子発現解析および標的外の領域での変化を検討した結果、ある特異性を持って標的遺伝子を含むゲノムにヒストン修飾の変化が認められ、発現が停止もしくは 低下している内在性の遺伝子を再発現させることができることが確認できた。残念ながら抗がん剤として使用できるような効果を示す化合物は未だ同定できなかったが、この方法を用いて合成された化合物により、iPS細胞を誘導する山中因子を誘導する化合物を同定し、マウスでiPS細胞を誘導でき、ヒト皮膚由来線維芽細胞でにおいても幹細胞を誘導する可能性のある候補化合物を京都大学との共同研究で得ることが出来た。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)
Molecular Carcinogenesis
巻: e-pub ページ: on line
doi: 10.1002/mc.22085.
Scientific Reports
巻: 4 ページ: 3843
doi: 10.1038/srep03843.
Chemistry
巻: 20 ページ: 1310-1317
doi: 10.1002/chem.201303295.
International Journal of Oncology
巻: 44 ページ: 1669-1677
doi: 10.3892/ijo.2014.2340.
FEBS Open Bio
巻: 4 ページ: 328-334
doi: 10.1016/j.fob.2014.03.004
Ann. Cancer Res. Ther.
巻: 20 ページ: 74-86
doi: 10.4993/acrt.21.01
巻: 43 ページ: 1441-1446
doi: 10.3892/ijo.2013.2073.
Biol Pharm Bull.
巻: 36 ページ: 1152-1158
Angewandte Chemie
巻: 52 ページ: 13410-13413
doi: 10.1002/anie.201306766.
http://www.pref.chiba.lg.jp/gan/kenkyujo/soshiki/iden/index.html
http://ganshien.umin.jp/public/research/main/nagase/index.html