研究課題
遠隔転移抑制効果及び休止期腫瘍細胞に対する殺細胞効果も加味した局所腫瘍制御効果を同時に評価できるin vivo動物実験アッセイ系に関しては確立でき、従来のγ腺照射だけでなく、ベバシツマブを併用するsodium borocaptate-10B (BSH)またはL-para-boronophenylalanin-10B (BPA)を用いた中性子捕捉療法(BNCT)後の局所腫瘍制御及び局所腫瘍からの遠隔転移能に関して解析された。ベバシツマブの併用は、局所腫瘍内の急性低酸素細胞分画が解除され効率的に酸素化され、その結果、局所腫瘍からの肺への遠隔転移能も抑えられることが判明していた。さらに、BSHまたはBPAを用いた中性子捕捉療法(BNCT)では、局所腫瘍制御のためには、腫瘍内休止期細胞により効率的に分布できるBSHを使用する方が、遠隔転移能の抑制のためには、急性低酸素細胞分画にも比較的よく分布可能なBPAを用いる方が有用であることが判明しており、局所腫瘍の制御にはBSH-BNCTが、局所腫瘍からの遠隔転移能抑制にはBPA-BNCTが有用であることも判明しており、今回のベバシツマブの併用はさらに遠隔転移能抑制に貢献し得る可能性が示された。他方、硼素-10を含む中性子捕捉化合物の腫瘍におけるcompound biological effectiveness(CBE)値の大きさに及ぼす中性子捕捉化合物の種類及びその投与濃度に関する解析を行った。その結果、CBE値は、全腫瘍細胞よりも休止期細胞において、BSHよりBPAを使用した際に大きい事が判明した。さらに、投与濃度が高くなるにつれて、CBE値は小さくなり、BSHよりBPAを使用した際にこの傾向が顕著になった。つまり、腫瘍内不均一性により依存して分布する中性子捕捉化合物のCBE値は、変化しやすい事が判明した。この事実は、CBE値が、腫瘍の不均一性の評価のための有望な指標になり得る事も示された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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