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2013 年度 実績報告書

がん細胞に老化を誘導し増殖・転移を抑制するマイクロRNAのメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23300363
研究機関広島大学

研究代表者

田原 栄俊  広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 教授 (00271065)

研究分担者 落谷 孝広  独立行政法人国立がん研究センター研究所, 分子細胞治療研究分野, 分野長 (60192530)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード細胞老化 / がん / マイクロRNA / 核酸医薬
研究概要

化関連マイクロRNAmiR-22の機能解析として以下の項目を実施した。1)miR-22の新規標的遺伝子の検索と検証、2)miR-22新規標的遺伝子の機能解析、3)miR-22が細胞外小胞(エクソソーム)に排出するされる制御の機能解析、4)miR-22のがん細胞でのトランスクリプトーム解析を実施した。1)については、in silico解析と3-UTR-ルシフェラーゼ活性の解析により、ヒストンH3.3を標的にしていることを見いだした。3種のseed配列変異型H3.3では、miR-22による3’UTRルシフェラーゼ活性の抑制が解除された。さらに、H3.3AおよびH3.3Bを認識する抗体を用いてタンパク質レベルでの解析を行ったところ、H3.3Bのタンパク質が顕著に抑制された。以上の結果から、miR-22は、H3.3Bの3’UTRに結合してその翻訳を抑制していることを明らかにできた。2)については、H3.3に対するsiRNAを構築し、H3.3を抑制できるsiRNAを用いて、正常細胞に対する効果を検討した。その結果、H3.3 siRNAは、正常細胞の増殖を顕著に抑制した。3)については、細胞内のmiRNAおよびエクソソーム中のmiRNAをqRT-PCRにより解析したところ、細胞内では老化と共に顕著にmiR-22の発現が増加するのに対して、エクソソーム中のmiR-22の発現量は極めて低くかった。miR-22と同じ機能を持つ老化関連マイクロRNAであるmiR-34a, miR-30なども同様にエクソソーム中に排出されるマイクロRNAが極めて低いことを見いだした。4については、IGFBP3やPAI1などの複数の細胞老化のシグナル系が活性化されており、miR-22は、細胞老化のスイッチマイクロRNAとして重要なマイクロRNAであることを明らかにできた。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (23件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (19件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] DSE-FRET: A new anticancer drug screening assay for DNA binding proteins.2014

    • 著者名/発表者名
      Miyagi T, Shiotani B, Miyoshi R, Yamamoto T, Oka T, Umezawa K, Ochiya T, Takano M, Tahara H.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1111/cas.12420.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two distinct modes of ATR activation orchestrated by Rad17 and Nbs1.2013

    • 著者名/発表者名
      Shiotani B, Nguyen HD, Hakansson P, Marechal A, Tse A, Tahara H, Zou L.
    • 雑誌名

      Cell Rep.

      巻: 3(5) ページ: 1651-62

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2013.04.018

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Introduction of a Single Transporter Gene ABCA3 Directs RLEー6TN to More Type IIーlike Alveolar Epithelial Cells2013

    • 著者名/発表者名
      Mikihisa Takano, Chieko Yamamoto, Keisuke Sambuichi, Keisuke Oda,Junya Nagai, Akira Shimamoto, Hidetoshi Tahara, and Ryoko Yumoto
    • 雑誌名

      MEMBRANE

      巻: Vol.38(5) ページ: 246-253

    • 査読あり
  • [学会発表] 老化を調節する microRNA による膵臓がん細胞抑制メカニズムの解明2013

    • 著者名/発表者名
      福永早央里、石原えりか、塩谷文章、嶋本顕、田原栄俊
    • 学会等名
      第36回分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      20131205-20131205
  • [学会発表] 老化細胞由来exosomeの分泌メカニズムと生物学的意義の探索2013

    • 著者名/発表者名
      岡田 恵,中村 亜由美,宗岡 美紗,塩谷 文章,嶋本 顕,田原 栄俊
    • 学会等名
      第36回分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      20131205-20131205
  • [学会発表] PRPF19 をターゲットとした siRNA の抗がん剤としての応用の可能性2013

    • 著者名/発表者名
      鶴崎 慎也,塩谷 文章, 志戸岡 友希, 嶋本 顕,田原 栄俊
    • 学会等名
      第36回分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      20131204-20131204
  • [学会発表] 細胞老化におけるPRPF19の発現抑制に関与するmiR-27bの解析2013

    • 著者名/発表者名
      志戸岡 友希,鶴崎 慎也,塩谷 文章,嶋本 顕,田原 栄俊
    • 学会等名
      第36回分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      20131203-20131203
  • [学会発表] 細胞老化における miR-22 の新規ターゲット探索と機能解析2013

    • 著者名/発表者名
      藏元達谷、福永早央里、石原えりか、山本佑樹、塩谷文章、嶋本顕、田原栄俊
    • 学会等名
      第36回分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      20131203-20131203
  • [学会発表] テロメア・マイクロRNAを用いた次世代健康診断システム2013

    • 著者名/発表者名
      田原栄俊
    • 学会等名
      第3回臨床ゲノム医療学会大阪大会
    • 発表場所
      大阪大学谷口記念講堂
    • 年月日
      20131123-20131123
    • 招待講演
  • [学会発表] テロメア・マイクロ RNA を用いた次世代健康診断システム2013

    • 著者名/発表者名
      田原栄俊
    • 学会等名
      ゲノムドクター&キャスターセミナー特別講演
    • 発表場所
      大阪大学微生物病研究所 谷口記念講堂
    • 年月日
      20131006-20131006
    • 招待講演
  • [学会発表] PRPF19 の発現抑制は DNA 損傷を誘発し細胞老化を誘導する2013

    • 著者名/発表者名
      塩谷 文章、志戸岡 友希、田原 栄俊
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20131005-20131005
  • [学会発表] 老化関連 microRNA による膵臓がん抑制メカニズム2013

    • 著者名/発表者名
      福永 早央里、石原 えりか、塩谷 文章、嶋本 顕、田原 栄俊
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20131004-20131004
  • [学会発表] 老化関連miRNAによる膵臓がん抑制機構の解明2013

    • 著者名/発表者名
      福永早央里、塩谷文章、嶋本 顕、田原 栄俊
    • 学会等名
      がん若手ワークショップ
    • 発表場所
      蓼科グランドホテル滝の湯
    • 年月日
      20130906-20130906
  • [学会発表] 細胞老化におけるPRPF19の発現抑制に関与するmiRNAの解析2013

    • 著者名/発表者名
      志戸岡友希、塩谷文章、鶴崎慎也、田原栄俊
    • 学会等名
      第5回日本RNAi研究会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル広島
    • 年月日
      20130831-20130831
  • [学会発表] 細胞老化における miR-22 の新規ターゲット探索と機能解析2013

    • 著者名/発表者名
      藏元達谷、石原えりか、福永早央里、山本佑樹、塩谷文章、嶋本顕、田原栄俊
    • 学会等名
      第5回日本RNAi研究会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル広島
    • 年月日
      20130830-20130830
  • [学会発表] 細胞老化によって増加するexosome分泌の機能とメカニズム解析2013

    • 著者名/発表者名
      岡田 恵、中村 亜由美、宗岡 美紗、藤田 知信、河上 裕、田原 栄俊
    • 学会等名
      第5回日本RNAi研究会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル広島
    • 年月日
      20130829-20130829
  • [学会発表] マイクロ RNA を用いた革新的かがん診断・治療2013

    • 著者名/発表者名
      田原栄俊
    • 学会等名
      第 14 回ホルモンと癌研究会
    • 発表場所
      東京大学山上会館
    • 年月日
      20130712-20130712
    • 招待講演
  • [学会発表] DSB応答におけるNbs1を介した活性化機構2013

    • 著者名/発表者名
      塩谷文章、田原栄俊、Lee Zou
    • 学会等名
      第65回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      ウインクあいち
    • 年月日
      20130621-20130621
  • [学会発表] PRPF19の発現抑制による細胞老化誘導とがん分子標的としての可能性2013

    • 著者名/発表者名
      塩谷 文章、志戸岡 友希、田原 栄俊
    • 学会等名
      第17回日本がん分子標的治療学会学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20130613-20130613
  • [学会発表] Regulation of ATR checkpoint pathway at DSB2013

    • 著者名/発表者名
      塩谷 文章
    • 学会等名
      第2回DNA損傷応答ワークショップ 浜名湖ミーティング
    • 発表場所
      浜名湖弁天リゾート ジ・オーシャン
    • 年月日
      20130402-20130402
  • [学会発表] Therapeutic role of microRNAs in cancer and cellular senescence2013

    • 著者名/発表者名
      田原栄俊
    • 学会等名
      Small RNAs to Stem Cells & Epigenetic Reprogramming Asia-2013 Meeting
    • 発表場所
      東京大学山上会館
    • 年月日
      2013-11-25
  • [学会発表] 老化を誘導する抗腫瘍核酸医薬の可能性2013

    • 著者名/発表者名
      田原栄俊
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2013-10-05
    • 招待講演
  • [備考] 広島大学大学院医歯薬保健学研究院・細胞分子生物学研究室

    • URL

      http://cell.pharm.hiroshima-u.ac.jp/TaharaLAB/Welcome.html

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公開日: 2015-05-28  

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