研究課題/領域番号 |
23310002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 幸彦 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80345058)
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研究分担者 |
小松 幸生 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (30371834)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 環境動態解析 |
研究概要 |
平成24年度は、生息環境に対するマイワシ・カタクチイワシ仔魚の成長特性を明らかにし、モデル化の基礎資料とするため、既取得資料の整理分析、現場観測、海洋データ同化システム・生態系モデルによる研究を進めた。 まず、2006年~2011年に取得したマイワシ、カタクチイワシ仔魚試料から、約1500個体を選定し、耳石日輪の計測を行った。これにより、2006年以降のマイワシ、カタクチイワシ仔魚の経年的な成長特性の変化、および水温・栄養塩・クロロフィルa濃度との関係が明らかとなった。2012年4月には、学術研究船淡青丸KT-12-5航海に乗船し、主産卵場の1つである遠州灘~房総沖から黒潮を横断する観測線において、仔魚の採集と物理・餌環境計測を実施した。本航海で観測した内容については、流速と水温・塩分、乱流混合強度の3次元分布を示した。また、海洋データ同化システムの出力に観測データを加えて、輸送シミュレーション用の水温および流動場の構築と、低次生態系の再現性と精度について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度までに、遠州灘~房総沖で取得されたマイワシ、カタクチイワシの耳石日輪データを約3000個体分解析し、その特性を明らかにしつつある。この結果に合わせ、輸送/生態系モデル実験を進めることで、平成25年度までにマイワシ、カタクチイワシ仔稚魚生残確率のモデル化に大きな進展が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は最終年度であり、これまでに取得したマイワシ・カタクチイワシ耳石分析資料と高解像度海洋循環・低次生態系結合モデルの結果を組み合わせ、採集したマイワシ・カタクチイワシ仔魚の由来と環境履歴を復元し、成長・生残要因を特定する。この結果をもとに、マイワシ・カタクチイワシの成長・生残を定量化し、新しいモデルを構築する。
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