研究課題
本研究で明らかとなった播磨灘の表層堆積物中の有機態炭素・窒素、全リン含量の水平分布と、過去(30年前)との比較を行った。その結果、それらの含有量は過去と大きく変化していない事がわかった。また、昨年度に引き続き堆積物からの栄養塩溶出速度の見積もりを行い、無機態窒素(DIN)だけでなく溶存全窒素(TDN)の溶出速度も測定した。堆積物間隙水から溶出する溶存有機態窒素(DON)は、水中では容易に分解しないことを確認した。また、昨年度に引き続き、瀬戸内海東部海域に流入する河川の水質調査を行い、河川水のN・P濃度の実測を行った。さらに、瀬戸内海東部海域において原単位法によるN・P負荷量の見積もりを行った。本研究で得られた結果と過去のN・P負荷量の報告値(環境省)を比較し、 過去から現在までで陸域から海域への生活系のN・P負荷量が減少傾向にあり、総量規制の実施とともに、人口の増減や生活排水処理の整備との関係が明らかとなった。また、高度成長期から現在までの播磨灘や瀬戸内海の赤潮のデータを整理し、赤潮とP負荷量との関係等について解析した。P負荷量を高度経済成長期以前のPレベルにまで削減しても、以前の赤潮発生件数には戻らないことがわかった。また、海域の粒子の挙動についてリンを指標に検討し、陸域から海域への粒子としてのPの負荷と負荷された後の挙動について、考察した。さらに、水柱の光条件や植物プランクトン現存量の変動について検討し、近年の栄養塩濃度の減少との関係についても議論した。その結果、水柱の光条件に、及ぼす粒子の影響等を定量的に明らかにできた。植物プランクトンの現存量については、増加、減少の顕著な傾向は認められず、その季節変動には過去より「めりはり」があり、周年の単純平均値からは推し量れないChla濃度の変化が起きている事を指摘できた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件)
La mer
巻: 52 ページ: 1-11
Journal of Oceanography
巻: in press ページ: in press
海の研究
巻: 23 ページ: 29–44
巻: 70 ページ: 153 – 164
Hydrobiologia
巻: 714 ページ: 49 - 59
Proceedings of EMECS 10 -MEDCOAST 2013 Joint Conference
巻: 2 ページ: 785-796