研究課題/領域番号 |
23310012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
森本 真司 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (30270424)
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研究分担者 |
青木 周司 東北大学, 理学研究科, 教授 (00183129)
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キーワード | 物質循環 / 環境計測 / 温室効果気体 / 同位体比 |
研究概要 |
大気中のメタン(CH4)は、二酸化炭素(CO2)に次ぐ重要な温室効果気体としてその動態が注目されているが、生成・消滅過程が非常に複雑であるため、その濃度変動の原因はまだ十分に理解されていない。また、北半球高緯度域には大量の有機物及びメタンハイドレートが貯蔵されており、温暖化によって大量のCH4が大気へ放出される可能性が指摘されているが、系統的な観測データが不足していることから、現在のCH4放出源の変動に関する知見についても未だ十分ではない。本研究では、北半球高緯度の4地点(スバールバル諸島ニーオルスン、カナダ・チャーチル、ロシア・スルグート、北太平洋航路北緯55度地点)において、大気中のCH4濃度とCH4放出源に関する情報を持つCH4炭素・水素同位体比の系統的な時系列観測を実施し、北半球高緯度におけるCH4放出源それぞれの寄与と変動を明らかにすることを目的とする。本年度は、これまで維持してきたニーオルスン、チャーチルでの系統的なCH4濃度、CH4同位体比の時系列観測を継続し、引き続き高精度データを蓄積した。また、スルグートでの観測準備を開始し、平成24年度から月に一度の定期的な大気採取とCH4濃度、CH4同位体比観測が可能になった。これらの大気観測と平行して、CH4炭素同位体分析装置の補正項を求めるためのオフラインCH4精製装置の開発と、CH4水素同位体比分析装置の高度化に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
北半球高緯度域3地点での観測はおおむね順調に進捗している。また、実験室での装置開発や分析装置高度化についても大きな問題はなく、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
北太平洋航路上を航行する貨物船に北緯55度地点での大気採取を依頼する予定であったが、日本発貨物船の航路変更により、未だ大気採取・観測を実現できていない。今後、引き続き海運会社への依頼を継続すると共に、他の様々な手段を用いて北太平洋高緯度域での大気採取・観測実現を目指す。
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