研究課題/領域番号 |
23310013
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
福地 光男 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (80099936)
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研究分担者 |
高橋 邦夫 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (50413919)
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キーワード | 南極海 / 動物プランクトン / 長期変動 |
研究概要 |
本研究課題は、南極海インド洋区で得られた既存動物プランクトン標本を基に、1)多量の植物プランクトン混入している場合、動物プランクトンを選り分け正確な動物プランクトン量を計測し、大きな分類群毎の個体数を計測し、動物プランクトン組成の長期変動を明らかにする。更に、甲殻類に関しては、種組成・体サイズ組成を調べ、その長期変化を明らかにする。2)日豪両国研究者間での定期的な解析ワークショップを開催し、動物プランクトン組成変化を抽出し、その変化の原因について、(1)環境要因との関連、及び、(2)餌生物(海洋基礎生産)との関連、の観点から研究し、その成果を発信する。上記の2点である。 平成23年度は南極海インド洋区の中でも試料の蓄積が多い昭和基地沖(リュツォ・ホルム湾)における初期の1970年代の標本から37試料、及び昨年度採集された5試料を用い、標本処理手順に沿って、植物プランクトンの混入を取り除き、動物プランクトン全体の量を測定した。動物プランクトンのみとなった試料を基に、分類群毎の個体数を計数した。これらの作業の支援のため大学院学生を雇用するとともに、外部のプランクトン分析業者に委託して分析を進めた。分析に必要な消耗品は随時購入した。豪州共同研究者や連携研究者と議論する場として、2011年9月にイギリス・プリマスで開催されるワークショップに参加し、研究成果を発表するとともに、日豪の研究成果統合について討議を行なった。また昨年度採集された5試料の分析結果については国内の学会で発表し、投稿論文を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は作業支援として大学院学生を雇用するとともに、外部のプランクトン分析業者に委託した結果、40を超える試料を精査することが出来た。得られた結果はただちに国内の学会で発表を行なった。また同じ南極海インド洋区を主なフィールドとする豪州の研究者と今後の日豪研究成果統合について活発な議論を展開することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
本応募課題は既存標本を対象とする地道な研究手法であるため、順調に経過するものと思われる。ただし、プランクトン試料の植物プランクトン・動物プランクトン分別作業には、試料にどの程度(2)植物プランクトンが含まれているかにより作業効率が著しく異なる。多量の植物プランクトンが含まれる試料の割合が高い場合には分別作業を行なう研究協力者を増員することで対応する。さらに、全ての作業に遅延が生じた場合には、解析対象標本を減じて研究期間内に終了させることで対応する。
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