研究課題/領域番号 |
23310016
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
谷本 浩志 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 室長 (30342736)
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研究分担者 |
角皆 潤 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (50313367)
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キーワード | 硫化ジメチル / 海洋化学 / 生物地球化学 / 気候変動 / 大気化学 |
研究概要 |
本研究では、地球の気候システムにおける重要性のため海洋観測データベースが整備されているにもかかわらず、従来法(ガスクロマトグラフ法)ではデータが極めて少ない現状にある硫化ジメチル(DMS)について、我々が開発してきたオンライン計測手法である平衡器インレット-陽子移動反応-質量分析計(EI-PTR-MS)に残された検討課題に取り組み、計測の高度化、較正手法の確立、従来法との相互比較による検証を行って、EI-PTR-MS法を海水中DMSおよび関連有機化合物(VOC)の高時間分解能計測手法として確立することが目的である。 本年度は、(1)EI-PTR-MSによるDMS・VOC計測の高度化、(2)DMSの較正手法の確立、(3)研究航海における試験観測に重点的に取り組み、それぞれ次のような成果を得た。(1)平衡器や配管内における温度・湿度を精密に計測・制御して、PTR-MSによる検出感度や気相濃度計測から海水濃度への計算を高精度化し、様々な海域・気象条件において水蒸気濃度・水温の補正を正確にできるようにした。接ガス部の材質に金属を避けテフロンやガラスを用いた他、ヘッドスペースを水滴が付きにくいデザインに変更して、吸着性・親水性の高い有機化合物の検出感度や時定数を改良した。採水後外気に触れずにボトリングした水を用いることで、実験室内雰囲気等からコンタミしやすい有機化合物について、より正確なブランク濃度を得た。(2)同位体置換されたDMS試薬を入手して標準ガスを特注で作製した。(3)学術調査船「白鳳丸」の研究航海を利用して改良型EI-PTR-MSを試験運用し、船上でしかできない装置の性能試験や採水ラインの試験を行った。具体的には、フィルターの有無による計測を行ってバブリング式平衡器におけるバイオファウリングの影響を試験して、特にメタンチオールへのコンタミの原因を探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究内容の4項目すべてについて、概ね順調に達成しているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、(1)ガスクロマトグラフ法によるEI-PTR-MSのキャラクタリゼーション、(2)EI-PTR-MSによる他の含硫黄化合物の検出への応用、(3)EI-PTR-MSとガスクロマトグラフ法の国内相互比較実験による検証を行う。
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