研究課題
ライダーグループ(佐賀大学ライダー:国立環境研究所、佐賀大学)は、ライダーを用いて観測した対流圏オゾンを気象研究所の化学気候モデル(MRI-CCM2)と比較した。オゾンゾンデとの比較ではそれぞれの観測誤差範囲内で一致していることが分かった。境界層下部におけるオゾンをAD変換によって計測する方法を考案し、実験を行った。その結果、精度が不十分であることが分かった。MRI-CCM2の予測値もライダーとほぼ一致しているが、例えば高度2 km付近の高濃度オゾン層や7月中旬~8月のオゾン濃度の大きな変動をうまく再現できない場合がある。この原因は、MRI-CCM2はオゾン前駆物質の排出量を固定していること、水平分解能(Δx~110km)が粗いことなどが考えられる。ライダーグループ(気象研究所ライダー:気象研究所)は、ライダー観測に使用している送信系で発生した不具合に対処しつつ、継続して観測を行った。観測は、最長連続6日間(2回)を含む62日間行い、オゾンゾンデや数値モデルの予測結果との簡単な比較を行った。送信系の不具合は、レーザーのビームパターンが変化したことで、ラマンシフターでの変換効率が極端に低下したことが原因であると特定し、ビームパターンを改善して変換効率を回復させた。モデルグループ(気象研究所)は、MRI-CCM2の運用を継続しつつ長期間再現実験(2006~2010)を行い、統計解析を行うためのデータセットを作成した。領域化学輸送モデル(NHM-Chem)の開発を継続しオンライン版NHM-Chemのプロトタイプを完成させると共に、2013年に日本海側で見られた高濃度オゾンイベントについてMRI-CCM2、NHM-Chemの計算結果と観測データを比較し、成果を気象学会等で発表した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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