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2011 年度 実績報告書

PCB全異性体209種の超微量分析による非意図的生成PCB異性体の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23310023
研究機関愛媛大学

研究代表者

竹内 一郎  愛媛大学, 農学部, 教授 (30212020)

研究分担者 河野 公栄  愛媛大学, 農学部, 教授 (50116927)
キーワード環境 / 有害化学物質 / PCBs / 超微量分析 / 非意図的生成異性体
研究概要

平成23年度は、愛媛大学農学部附属環境先端技術センターで実施してきた高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計HRGC/HRMS等によるポリ塩化ビフェニール(PCBs)の209全異性体のng/gレベルでの超微量分析方法に準拠し、北海道、山形県、岐阜県、鳥取県等の日本各地から採集したサツキマスOncorhynchus masouoshikawaeおよびサクラマスOncorhynchus masou masouの209全異性体のng/gレベルでの超微量分析を実施した。クリーンアップ回収率補正用の内部標準物質の平均回収率は良好な結果が得られた。
今回分析を行ったマス類の生物試料からは、PCBsの209の全異性体中、約160の異性体が検出された。総PCBs濃度はサツキマズがサクラマスよりも高濃度であり、それぞれ約40ng/g湿重量および約3~30ng/g湿重量であった。既報と比較すると、サツキマスの総PCBs濃度は北アメリカの野生のサケ類に比べ高濃度であり、北ヨーロッパにて養殖されている大西洋サケの濃度に近かった。また、これらのマス類のPCBs全異性体の濃度インベントリーを作成した。同族体組成については、サツキマスは4塩化物が最も優占し、特に#52、66等の異性体の濃度が高かった。4塩化物に次いで、5、6塩化物の割合が高い値を示した。サクラマスは5、6塩化物の割合が4塩化物よりも高い地域が多く、特に、5塩化物の#101、6塩化物の#153等の異性体の濃度が高かった。これらの研究成果を平成23年12月に東京大学で開催された環境ホルモン学会第14回研究発表会で速報として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計HRGC/HRMS等により、マス類のPCBsの全異性体のng/gレベルでの超微量分析を実施し、これらの魚類のPCBs全異性体の濃度インベントリーを作成することができた。また、クリーンアップ回収率補正用の内部標準物質の平均回収率は良好な結果が得られた。

今後の研究の推進方策

これまでの研究は順調に進展しており、平成24~25年度も、当初の計画どおり、日本近海域等から採集したサケ・マス類、スズキ類等の魚類の全209異性体の超微量分析を実施し濃度インベントリーを作成するほか、既知のカネクロール等の製剤由来のPCBデータ等を参照し、日本における新たな発生源からと考えらえる非意図的に生成されたPCBs異性体を探索し、その濃度や分布域等の実態を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日本近海におけるマス類のPCBs209異性体濃度、特にダイオキシン様PCBs(dl-PCBs)について2011

    • 著者名/発表者名
      松本玲子
    • 学会等名
      環境ホルモン学会第14回研究発表会
    • 発表場所
      東京大学山上会館
    • 年月日
      2011-12-01

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公開日: 2013-06-26  

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